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    toraji_0w0

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    レイチュリなんか私の幻覚だろと思ってストーリー読んだら脳を焼かれた人間の戯言です、幻覚です
    まだ情報が出揃っていない2024.2.7の妄想です
    ナチュラル同棲 後日ちゃんとえっちする

    #レイチュリ

    Married love ——今日こそ必ず成し遂げて見せる。
     あの堅物、朴念仁、甲斐性なしを絶対にわからせてやるのだ。
     幾度も繰り返し続けた決意を新たにアベンチュリンは拳を握りしめた。


     レイシオとアベンチュリンが恋人になってから片手の指では足りなくなりそうなほどの月日が経ったころ、アベンチュリンはどうやら自分の恋人はひどく奥手らしいということにようやく思い至った。
    仕事の都合で知り合い、少しずつ関わっていくにつれて他人だけでなく自分にも厳しい人なのだということを知った。そういう何事にも妥協を見せないストイックな面も好ましかったがなにより、その他者へ向けた厳しさがわかりにくい彼なりの優しさだと気付いてからはのめり込む様にレイシオに惹かれていった。
    元々アベンチュリンは他人に依存しやすい質だという自覚はあったが、ことレイシオに関してはそれが顕著でアベンチュリンの猛アピールと紆余曲折の末、二人が恋人になった後も会えない日は山のような量のメッセージを送り、仕事が重なれば周りへの威嚇と牽制ふりまき、月に幾度かのデートでは毎度別れ際に離れがたいと手を握り、指を絡ませてキスをねだった。

     ——そう、これがアベンチュリンの悩みの種で。
     どんなにアベンチュリンがねだったとしてもレイシオはキスまでしか進んでくれない。絡んだ舌を解き、熱い息をほぅ、と吐きだして。学者とは思えないほど逞しく厚い胸板にそっと頬を寄せる。今までこれで落とせなかった男などアベンチュリンの世界には存在いなかったのにレイシオときたら、肩を抱き寄せてそのままホテル行くわけもなくアベンチュリンをタクシーに乗せ、その素晴らしい頭脳で即座に現在地とアベンチュリンの自宅距離からタクシー代たたき出し運転手に握らせたのち「では、また」とアベンチュリンの頬をひと撫でして、そっとタクシーの扉を閉めたのだ。
    スマート、あまりにもスマートすぎる。
    デートの最中にも不自然に思われない程度に今日こそはと匂わせた回数は数知れず、もしや潔癖症の恋人は出先でそういった行為に及ぶことをよしとしないのかも、と思い至り契約していた部屋を引き払ってレイシオの住むマンションに押し掛けたのが2週間と少し前。
     押し掛けた当日は「計画性の無いバカ」「相談もできない間抜け」と散々罵られたが、最後には寂しかったと取って付けただけの理由も深掘りせずに同棲を許してくれた優しい恋人は相も変わらず熱いキスだけを続けている。
    ——限界、もう色んな意味で限界だ。
    唇以外にも触れてほしくて高まった心も体も、レイシオを想って一人の夜に慰めた後孔もなにもかもが限界だった。

     夕飯、至福のバスタイムを終え規則正しくさあ、あとは眠るだけだとベッドへ入り込んだ恋人の布団を剥きアベンチュリンはレイシオに覆いかぶさった。
    「ねえ!レイシオ!僕ってそんなに魅力がない?」
    「何を言いたいのかさっぱりだが君は、十分魅力的だ」
     さらり、と髪を撫でつけ顎をなぞり後頭部に手を差し入れられる。そのままアベンチュリンの顔を胸板に抱き寄せ「寒い」と呟くと毛布をかぶりすっかり寝る体制に入ろうとしている、そんな恋人のパジャマの首元を引っ張りながら必死に訴えた。
    「寝ようとしないで!僕の話をちゃんと聞いてくれ、レイシオ。僕は君と身体を重ねるに値しないだろうか。どうして君は僕のことを抱いてくれないんだい」
     眠るという意思をもって固く閉ざされていた瞼がキッと開く。呆れと戸惑いを宿したいつものアイメイクに縁どられていない、普段よりも幾分か柔らかな瞳がアベンチュリンを見つめ、そして諦めたかのように瞼をおろした。
    「僕とて男だ、君のことを抱きたいと思っていたし機会をうかがってはいた…」
     ただ「物事には順序がある」そう言い残して部屋を出て行ってしまった恋人の後ろ姿をベッドの上で静かに見送る。
    どうしよう、順序ってなに?まずはお風呂からとかそういう話だった?
    ベッドの脇に寄せられた毛布たちを抱き寄せてアベンチュリンは俯いた、また失敗してしまっただけではなくどうやら自分はレイシオの考える’’正しい’’手順を踏めなかったらしい。
    ——嫌われてたらどうしよう。
    いやな想像が頭をよぎる、そうしてアベンチュリンがすっかり布団に包まってしまったころ、ガチャリと扉が開きレイシオが部屋へと戻ってくる。
    「本当はこんなタイミングではなく、特別な…記念日を選びたかったんだ」
     レイシオは布団の塊をそっと抱き寄せながら「顔を見せてくれ」と言った。
     もぞり、と毛布を掻き分けて顔を覗かせる。右手でアベンチュリンを抱きかかえ、左手には見たことの無い見るからに手触りの良さそうなベルベットに包まれた小さな箱を乗せている。
    「それって、」
    「婚前交渉など以ての外だ、僕は君を大切にしたい。結婚しよう」
     真正面から見つめられ、そっと左手をとられる。「返事は?」耳元にそっと響くテノールに箱の中で輝く細身のゴールドリングから目線を外し、レイシオの顔を見つめる。
     どう考えても、順序をすっ飛ばしてるのは君の方だ。セックスよりプロポーズが先だなんて!声にならない想いが溢れて止まらないアベンチュリンはとりあえず、この最高の恋人に噛み付くようなキスをお見舞いした。
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