茹「あ〜暑かったぁ、ただいまぁ」
「おかえり、乱数くん」
玄関で靴を脱ぎ捨てて、冷えているだろうリビングへと飛び込む。案の定そこは天国だった。近くまでタクシーで帰ってきたというのに、数分で汗でびちゃびちゃになっちゃうから、ほんとやだよねぇ。そのまま手を洗って首に張り付いた髪の毛を直して、ソファへとダイブする。クーラーに冷やされた皮の感触が気持ちよかった。
「まずは水分補給をしようね」
「うん」
そういえば冷蔵庫に幻太郎からもらった梅シロップがあるはず。それを炭酸にして飲もうかなぁ。シュワシュワしてスッキリしそう。そう思って、立ちあがろうと思った時だった。ピンクのグラスが目の前に置かれる。なんとなんと梅サイダーが並々に注がれている。
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