春の居候、四人分忍術学園、春の終業式。門が開くのを待たず、駆けるように校舎を出たのはエメリだった。
「瑞くん! 璦くん!」
小柄な体に揺れるオレンジ色のポニーテール、ぴよぴよ跳ねるアホ毛が、今日も春の陽射しを受けて元気よく弾んでいる。
「おまたせ〜!行こっか、通称エメルメ家!」
瑞は肩から下げた荷物の位置を直し、そっと微笑んだ。「準備、早かったね。」
その後ろで金髪の少年、璦がふわりと笑う。「……エメ兄がうるさくて眠れなかったんじゃない?」
「そんなことないよ。」
苦笑いの瑞とは対照的に、エメリは元気よく頷いた。「楽しみだったんだもん〜!じゃあ、行こ!」
三人並んで村の外れまで歩き、エメリがぽんと家の門を叩く。数秒後、引き戸が開いた。
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