至るまで長々とする話は時に言い訳にしかならなく、聞いている相手もうんざりとするだろう。
だから私はこの気持ちを敢えて、一言で表す。
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風が心地よく、生き物が目覚めるこの季節は結構自分の好みだったりする。
獣人なのに室内を好むのは意外。と言われるが、別に獣人とはいえたった1人の稲妻人である事には変わりはないのだから、室内を好んでも文句を言われる筋合いは無いと自分で感じている。
自分の好きな季節でも同様だ。好きとはいえ、別に屋外に出たいなどとは思わない。
しかし、今日の自分はそれとは異なった。直接的にこの季節を浴びたくなり、外に出る支度をする。
鳴神神社に居座るあの八重宮司に用意されたこの構造が複雑な服も、慣れれば比較的早く着替えられる。母親が
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