最高の調整「彼女は芸術に愛され、芸術を愛した子だよ。」
何者かが旅人に発した言葉_
♢♢♢
何も出来なかった。
勉強は人より一回りも二回りも出来ず、運動はそれよりもっと出来なく、走って転ぶのなんてザラだった。
そんな彼女、リシュラが唯一持っている才能は、「芸術」だった。
長女のポプリは、踊り_バレエを愛した。
次女のカロルは、音楽_歌を愛した。
そんな芸術を好んだ家系の末っ子は、芸術にたっぷりと愛された。
ポプリが注いだ愛、カロルが注いだ愛。その愛の全てを、三女のリシュラが全て受け取ったかの様に、芸術に愛されていた。芸術の神様がいたら、リシュラをきっと溺愛していると違わないと思う程に。
絵画、演劇、彫刻、音楽、文芸。彼女は全てを使いこなし、また全てを愛せた。
「おねえちゃん達よりわたしは劣っている。」と思っている彼女は近い内に彼女達を抜かすかもしれない。いや、それ以上に成長出来る才能がある。
裁判を1つの演目とするフォンテーヌにおいて、彼女は光輝ける存在になるだろう。歴史に刻まれるかもしれない。
「彼女の生き様は、とても素敵な物だった。」とね。