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    えくれあ

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    えくれあ

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    ふる〜てぃ〜ずの甘酸っぱく…少し苦い。
    そんな秘密の果実を頬張ってみましょう。

    ふる〜てぃ〜ず“ぱふぇ”「……と、言うことで選ばれたのが貴方たちなの」

     5人は学園の多目的室に集められ、小さなうさぎの言葉を聞く。

    「えーっと…その、私たちが」
    「伝説にある10人の戦士の中の」
    「選ばれし5人の戦士で」
    「ふる〜てぃ〜ずとなって」
    「この国を救って欲しい!?」

     首を傾げた少女たちに、ニッコリと力強い笑顔で小さなうさぎ……ホイップは頷く。

    「なの!」
    「えええええええ!?」

    ……見事な5人のハモリ、さすが歌を力に変える戦士達だとホイップは思ったが、直ぐに気を取り直す。

    「ええええええええ!?って、みんな納得してないの?」

    その問いかけに瞳を揺らして自信がなさげにおずおずと答えた。2年生徒会長、赤星いちごだ。

    「あれは成り行きというか、学院長に呼ばれて、クリスタルを渡されて……」

     無理もない。学院長に呼び出しを受けたと思ったら、使命を与えられたのだから。
     それに便乗するのは最年長2人組の桃水もも、翠緑きうい。

    「戦いなんて~、ももちゃんそんな怖いことできないよ~?」
    「ほんとにそんな素質あるとは思えないんだけど~」

     その抜けた先輩2人に苦笑いをしつつ、不安を口にする2年の中間管理職な立場の紫生良ぶどう。

    「まぁ、お国が大変なのは知ってるけど…私なんかにできると思えないというか。」

     彼女の発言に一同頷く。そんな反応にその先が心配になったホイップは説得する。

    「でもでも、ホイップに託されたパートナークリスタルも反応してるの!みんな選ばれし、戦士でスティルペースジュエルの守護者なの!」

     王国ポームムの魔力を司るルビー。それを隣国のルレギュームが奪うために狙っているという。治安も悪くなっている中で、学生である私達が選ばれるはずは無いと思っているのが本音だ。
     そんな中で、ツインテールを揺らしながら鶴の一声を上げたのは萌黄れもんだった。

    「ワタクシたちが力になれるなら、良いのではないでしょうか。」
    「れーちゃん?」

     幼なじみの意外な反応に、いちごは驚きをかくせなかった。幼なじみの自分が言うのもなんだが、彼女の家と彼女自身には事情があって大事は起こせないのではと不安になったからだ。そんな思いを知らず、れもんは続ける。

    「代々受け継がれてきたふる~てぃ~ずなんて、なかなかなれるものでもなさそうですし。それに…」

     口ごもった。

    「それに?」

     それを不審に感じたぶどうが鋭い目付きで問うと、れもんは言いにくそうに答えた。

    「変身したときのお洋服…とてもかわいくて…」
    「え、なに?もう変身はしてるの?」

    すかさずツッコミを入れたのはきういだった。その気迫に若干の怯えを感じながらいちごは答える。

    「は、はい。私とれーちゃんは、学院長の前で変身しました。」
    「…かわいいの?」

     元からの鋭い目付きに加えて無機質でクールな雰囲気に気圧されそうなのだが、質問がおかしい。それに気づいたれもんが気を緩ませた。

    「もう、ふわふわで……かわいいんだぜ…」

    それが原因で、ラフな口調が出てしまったのだった。

    「だぜ。」

     またぶどうが今度は意外と思い語尾を繰り返す。萌黄グループのお嬢様らしからぬ快活な喋り方を面白く思ったのだった。れもんはその玩具を見つけられたような目を振り払うように咳払いをした。
     いちごは不安そうだが早くもメンバーを信頼しているようで、れもんに耳打ちする。

    「このメンバーで活動するのに拒否権ないみたいだし、れーちゃん隠さなくてもいいんじゃ?」
    「そんなのダメに決まってんだろ⁉親にばれたらなんて言われるか…」

     耳打ち会議は失敗に終わったが、化けの皮は直ぐに剥がれそうだといちごは思った。その時、最上級生の甘い声が響く。

    「スティルペース・チャージ!」

     それは戦士の詠唱だった。

    「ももちゃん⁉」

     身内がとんでもないことをやり出したときういは頭を抱えたが、それは直ぐに違うものになった。

    「ぴゅあぴゅあピンクであなたを虜にしちゃうの!ピーチの戦士・ペルシコス!……うっわぁ、かっわいい!」
    「なにこんなところで変身してるんですか…えっと、桃水先輩?」
    「ももちゃんでいいよ~、今はペルシコスだけどねっ!」
    「ええ…」

    ぶどうのツッコミも追いつかなくなりそうだ。

    「おわぁ…」
    「どこからそんな声出してるんですか、翠緑先輩!」

     否、スグに追いつかなくなった。

    「だって…これは萌えだよ。萌え。ももちゃんかわいいねぇ…かわいい、最高。」
    「えへへ~、いっぱい褒めてくれるきぃちゃん大好き。」
    「ももちゃん先輩のもかわいいですわ」
    「ほんとだぁ」
    「いいねぇ、かわいいねぇ…これが私を含めて5人、はーれむってやつか…」

     この混沌とした中で安心そうな笑顔。不安がなくなりみんな仲良くなれそうだと確信したホイップだった。

    「この感じならみんないけるとおもうの!」
    「いけるかなぁ…?」

     女の子同士の和気あいあいとした声が響く中、ぶどうだけが心配そうにしていた。
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