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    じろ~

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    じろ~

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    デリザくんの「イカれた兄弟が」のセリフについて極大解釈した捏造SSです。時系列何も考えず書いたので会議にドミナくんが出席してます。
    デリザくんは兄弟への敬意とか何もなさそうだなと思って書いたのでめちゃくちゃ辛辣です

    #デリザスタ
    #五兄弟
    ##五兄弟

    こっちにくるな 無邪気な淵源イノセント・ゼロの四男・デリザスタは元来、自由闊達に己のやりたいことだけをやる男だ。
     ストレスは肌に悪いから、できるだけムカつかない娯楽を。気に食わない奴がいたら即消去。適当な冗談を言って緩く楽しく生きる、それがデリザスタの信条だ。
     
     会議に呼ばれた兄弟達をぐるりと見渡す。皆形だけは真面目な顔をして席に着いているのが可笑しい。汚れ一つ無い服や肌からは、拭うことが出来ない血の匂いが染み付いているというのに。
    「オニーサマ達は相変わらずだなぁ」
     ヘラリとそう言うと、三男のエピデムが肩をすくめた。
    「そういうあなたもですよ。一番血生臭いじゃないですか」
    「あー、エルフ生搾り飲んでから来たから。さーせんオニーサマ」
     そう言いつつプリンを食べる手を一切止めようとしない彼に、内心ウエッと舌を出す。己の拘り以外は全てどうでもいいというエピデムの態度は、その徹底具合がたまに空恐ろしい。
     デリザスタは楽しさを追求するタイプだが、エピデムは本当にプリン以外の全てに興味がない。人生を彼なりに楽しんでいそうなことだけは分かる。
     二男に目を移す。ファーミンは宙を見て、次はアレが欲しいとブツブツ呟いている。
     マジで趣味悪、とデリザスタは呟く。
     ファーミンは手に入れた物にすぐ興味を失ってしまう。一旦手中に収めたからには壊すまで遊ぶタイプのデリザスタとは、趣味が何から何まで違った。未知への好奇心というにはあまりに刹那的なそれは、彼には酷く滑稽に映った。
     五男のドミナは行儀良く席に座り、辛抱強く父を待っている。
     そのあまりの真面目さと必死さに、デリザスタは心の中で嗤う。
     ドミナは兄弟の中でも特に父への忠誠心と愛に溢れている。誰よりも忠実であろうとするその姿は、もはや滑稽とかダサいとかを通り越してただひたすら哀れだった。
     最後に、長男のドゥウムの顔を盗み見る。目元が隠されたその顔は、凍りついたように表情を変えない。ドミナ以上に真面目なこの男は、揶揄い甲斐もなくつまらない男であった。強さだけは確かだが、それだけでは人生は潤わないのだ。
     足を組み直し、鼻を鳴らす。
     全く理解もできない、仲も良くない兄弟達。子供を利用しかしない父。
     側から見れば酷い家庭なのだろう、と適当なことを考える。心臓を預けたおかげで無限の治癒能力と魔力を手に入れて、それで思い切り好き勝手できるのだから、自分からすればこんなにいい環境も無いのだが。
     親兄弟との仲良しこよしごっこほど薄寒いものも無い、とその時のデリザスタは思っていた。
     
     事実はこうだ。
     こんなの認められる訳がない、とデリザスタは歯軋りする。
     相対する兄弟——レインとフィンは、短い会話でお互いの全てを理解したかの如く、一つになって彼に斬ってかかった。一糸乱れぬ連携に、デリザスタは目を剥く。
     こんなことがあって良いはずがない。
     何の損得も無く繋がる兄弟なんて、言葉も無く通じる兄弟なんて。ましてやそれが、自分が気持ちよく蹂躙できない相手だなんて、認めたくなかった。
     ——気持ち悪い。
     気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!
     こっちにくるな、このイカれた兄弟が!
     脳内の声を掻き消すように、デリザスタは鉾を振るう。しかし激しく音を立てて迫る剣は、更にその威力を増していく。余裕を失い真っ白になっていく脳内に、レインの声が鋭く突き刺さる。
    「必死にはならないんじゃなかったのか?」
     瞬間、振るわれた剣のせいでデリザスタは視界を失った。再生し切らない脳はぐちゃぐちゃと崩れ落ち、溶けていく体の感触で己が負けたのだと知った。
     もう姿も見えない兄弟に、デリザスタは怨嗟の声を上げる。
     気持ち悪い、気持ち悪い、こんな奴らに、この俺が!
     絶対に殺してやる、そう叫んだその声ごと断ち切られて、残っていた体の感触がプツリと消えた。
     
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