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    じろ~

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    じろ~

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    「こっちにくるな」の付け足しのような何かです。
    捏造がすごい。デリザ様への夢の見方もすごい。

    #五兄弟
    #デリザスタ
    ##五兄弟

    こうして彼は命を知った 何回繰り返したのか覚えていない。
     わかるのはお父様——無邪気な淵源イノセント・ゼロが、時を巻き戻しては六人目の兄弟を殺そうとしたこと。そして、自分たちが総出になって襲いかかっても奴を……いや、奴らを殺せなかったことだ。
     デリザスタは遠のく意識の中で、それだけをはっきり感じ取った。本来なら時間遡行による世界線移動の記憶なぞ、魔法の主たる父にしかできないはずであった。
     それを何の悪戯か、頭を吹き飛ばされた衝撃で知覚してしまったらしい。
     
     二度目も三度目も四度目も、そしてそれ以降も、デリザスタはあの憎き兄弟に敗れていた。
     黒と金が混ざった髪に、揃って立ち向かってくる強い眼差し。髪色が似ているならそのイカれ具合までそっくりかよ、と心の中で悪態をつく。
     負ける道理など無いはずだった。これまでに三百人もの「真面目くん」を葬ってきたのだから、今回も片手間に捻り潰せるはずだったのに。
     手の中の勲章を毟り取られ、デリザスタは声の限り叫ぶ。
     ワインを片手に、輝かしい功績に酔いしれることが好きだった。ストレス発散に振るう鉾は、自分が誰より高次な存在であると教えてくれた。目を剥き歯を食いしばって立つ奴らを痛ぶるのが、何よりも楽しかったはずだ。
     必死になどなりたくなかった。あんなに惨めな存在に成り下がりたくなかったから。
     
     もう再生もできない体で、彼はなぜかふと己の兄弟のことを思った。皆こういう風に敗れたのだろうか。それとも、己だけがこんなに嫌な死に方をしたのだろうか。
     どの世界線でも、兄弟と理解し合うことは無かった。デリザスタは長男の真面目さも、二男の好奇心も、三男の執着も、五男の愛情も、そして六男の強さも理解しなかった。理解したくなかったから、それで余計なストレスを負いたくなかったから、理解しようともしなかったのだ。
     それぞれの個を生きて、そしてデリザスタは今強く結びついた「兄弟」に敗れ去ろうとしている。
     本当に気持ち悪い、イカれた兄弟だ。認めたくない。認めたくない。認めたくない!
     何百回でも、何千回でも、何万回でも、必ずこの兄弟を殺さなくてはならない。
     
     この時初めて、デリザスタは必死になる自分を正しく認識した。すぐ命と共に消えるであろうこの衝動を、失いたくないと強く胸に刻んだ。
     
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    じろ~

    PAST昔出した倫慎本に載せた小説です。支部に載せているものと同じですがせっかくなのでこちらでもポイポイしておきます!
    最果てに咲く 今日もいつも通りの時間に目が覚めた。ベッドから起き上がり、体温を測る。もう何年も身体の心配をされる生活を続けてきたため、朝に体調確認をする癖がついていた。今日は平熱で、頭痛も何もない。健康そのものだ。
     良かった、今日も無事に訓練が出来る。そう思い、慎は手早く準備を済ますと合宿所に向けて出発した。何も変わったことのない、いつも通りの一日が始まった。
     この時は、そう思っていた。
     
     
     誰よりも早く訓練施設につき、準備運動を始める。慎は他のヒーローと比べて訓練期間が大幅に遅れている。少しでも皆に追いつくために、訓練日は早く来てグラウンドを走ったり、筋トレを行うなど、体力づくりを自主的に行なっていた。
     朝のルーティンワークをこなしている間に、他のヒーローが次々と集まってくる。良輔と挨拶を交わした後、「あんまり朝から飛ばすと大変だぞ。無茶するなよ」と釘を刺され苦笑した。良輔は今でも慎の体調をよく心配してくれる。その優しさに感謝しながらも、良輔自身ランニングをしてきたのか既に薄ら汗をかいてるのを見て、敵わないなぁと慎は胸中で軽くため息をついた。彼のようになるには、何倍も努力が必要なのだ。自分も、もっと頑張らなくては。
    10911