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    前世に失望

    メモ帳、ミヒャエル・カイザーに蹴られたい

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    前世に失望

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    怪異系の話を書こうとして諦めたもの
    猫又kis×一般人41

    ドッペルゲンガーいよいよ、宝玉もあと少しだと言うのに怒涛のラッシュで疲れてしまった。ミヒャも一緒に電車に乗っていたはずなのに戻ってきた瞬間にはもう見当たらなかったので、一人で帰ってきた瞬間には寝落ちしてしまった。カイザーに報告しようと思ったのに、限界だったのだろう。一人かくれんぼ、こっくりさん、きさらぎ駅、猿夢、かんかんだら、つきのみや駅などこれまでで6個貰い、怪異を終えている。猿夢からの3連チャンには流石に体力を使いきったのか数日ほど寝る羽目になった。起きたら4日経っていたときは驚いた。あれからカイザーには会っていない、子供のほうのミヒャには猿夢からの付き合いだったが、最後に会ったのはきさらぎ駅、そんなに前じゃないはずだが感覚的にはずいぶん前だと思ってしまう。
     今はカイザーの所に向かっているものの久しぶりだからかなかなか辿り着けない。こうなる前に行き方ぐらいは教えて貰えば良かったと後悔するほど、数時間歩き続けていた。しかも季節は夏だ。クソ暑いし、念のために水分をとるようにペットボトルを持ってきたがそれもいつまで持つのか分からない。
    「うっーー、暑い~~!」
    暑さで文句を言ったがそれでも何も変わらない。むしろ余計に暑くなった。前に来たときはこんなにも時間がかからなかったのに、不思議なこともあるもんだ。疲れて近くに椅子が置いてあったので腰かけた、下を向いて俯いた。すると、俺がいま履いているものと同じ靴が目に写った。もしかしたら、人かもしれない、そろそろ目的地に辿り着きたいのでここはどこかと聞いてみようと、顔を上げる。
    「えっ?」
    目の前には俺と同じ格好をした人物がいた。驚きのあまりなんども見つめてしまったが、どう見たって俺だ。知り合いを集めて聞いてみれば10人中10とも俺だと答えるぐらいにはおんなじだった。訳が分からないが、この怪異に心当たりはあるドッペルゲンガーってやつだろう。それぐらいなら分かる。だけどわざわざ本人の目の前に現れるなんてどうかしてるんじゃないか?ドッペルゲンガーは何も言わない俺をじっと眺めてから口を開いた。
    「こっちきて」
    そういって整理されている道ではなく山の獣道に向かって走っていった。言葉は短くただそれだけだったが、着いていかないわけにもいかない。もしかしたら宝玉のせいかもしれないし、これでカイザーの依頼も終えることができる。でも、終わったらカイザーとの関係も終えてしまうのだろうか、頭の中であの写真がちらつく幼い頃のカイザーと誰か分からない人との写真。きさらぎ駅から出る前にホームに落ちていたもの、カイザーにはなにも言わなかったが恐らく本人であるのは間違いないだろう。いつのものか分からないけど背景や写真の雰囲気からかなりまえだと思う。俺はカイザーのことをなにも知らない。猫又で、性格が悪くて、わがままで、だけど頼りになる。ムカつくこともあれど、ピンチになれば助けてくれるし俺が悪いのにも関わらず、宝玉探しも手伝ってくれるやつだ。
     だけど、時々俺の顔を見ながら誰かを見ているときがある。気づいていないみたいだから、たぶん無意識だろう。普段ならしないような優しい顔を俺越しにしている。あの写真を見て以降、俺はこれからどうしていけばいいのかをずーっと考えてはいたが、まだ答えはでないままだった。
     そんなことを考えながらもドッペルゲンガーの後を追う。なかなかアイツは早いらしくて、俺と同じ姿をしているのに一向に追い付けなかった。だからといって見失うことはなかったのは、大変助かった。見失ったら探せる気がしないほど、道と呼べるのか怪しいところへと容赦なく進んでいく。どうしても見失わないかと思っていると、どうやら俺に配慮してくれているらしく、息を切らして立ち止まっていると気がついて追い付かれないように距離を開けてだが、見える範囲でこちらを見てくる。声をかけられたわけではないが心配してくれるのだろう。きっと一人でここまで来いと言われたら迷子になるし、今さら帰る気なんてなかった。
    それから だんだん 奥へ進んでいく こんな山奥に何かあったっけときも 思いながらも ドッペルゲンガーにひたすら ついて行った まだ 日差しが強い どれくらい歩いたか スマホを確認しようとしたが 電源が入らなかった もしかしたらとんでもないことに また 巻き込まれているのかもしれないと思い ゾッとしたら どうすることもできず ひたすらと追いかける だんだんと風景が森 ばかりになっていった こんなところに何があるんだろう 今更 思い返してみれば 今日は 目的地に着かないことばかりだところにも行けなかったし 自分と同じ姿の人物を見てしまうなんてついてないかもしれない。いや、もう憑いているか。
     ずいぶん歩いたと思う、ようやく目的地へとついたらしくドッペルゲンガーが手招きをして早く来いと言っていた気がする。それに導かれるがまま進むとやけに大きな門が見えた。住所も書いていなければ、人の気配も全くしない。近くにいくとギギっと音を鳴らしながら開いていった、そう言った仕組みでもあるのだろうか?深く気にしてはいけないだろうと、そういったものだと思い込んで門の先をみる。門の前にいたはずのドッペルゲンガーが中に入っているらしくもう姿も見えなかった。一体彼は何がしたかったのだろうか、不思議と懐かしさを覚えるのは何故だろう?慎重に歩を進めていく。石畳が玄関までレッドカーペットみたいに敷き詰められていたので、それに沿って歩いていく。ずいぶん古そうな家だったが、壊れている様子などなくまだ住めそうであったし、庭も誰かしら整えているのだろう
    突然現れた君をなし 家に不思議に思いながら ここまで来たんだから と覚悟を決めてその中へと 入り込んだ さっきまでいたはずの ドッペルゲンガーの姿は もうなく 多分この中に入って行ったんだと 足を進めた
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