Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    Hokkai_sudako

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    Hokkai_sudako

    ☆quiet follow

    南森くんと北海ちゃんの関係性の小話。

    南北「すーだっこちゃーん。あっそびっましょー」

    閑静な住宅街。その中に建つ立派な一軒家を緑色の髪をしたガラの悪い少年がドンドンと乱暴にドアを蹴り飛ばす。

    「…うーん?居ねぇのかな。すー「居ますからっ!…だから静かにしてくださいぃ…。」

    ガチャ…と控え目な音を立てて扉が開き、中から家主である赤い髪の少女が涙目で少年を覗く。

    「やっほー。すだこちゃん、元気してた?つーか俺が来てやったんだから早く開けろ」

    ギザ歯を覗かせてニッコリと笑う少年に、少女は ひっ…と小さく悲鳴を上げる。
    そのまま少年は有無を言わさず家に押し入った。

    「……うぅ、南森さん、来る時は静かにしてくださいって何度も言ってるじゃないですかぁ…。」

    「は?何?すだこちゃんの癖に口答え?いつからそんなに偉くなったんだろうねぇ?」

    涙目で至極当然な主張をする少女の頬を押し潰しながら少年はニコニコと笑う。

    「うぎゅ!?…ごめんなふぁいぃ……」

    「優しーい俺にそんな反抗的な事を言うなんて泣けてきちゃうなぁ反抗期かなぁ…なーんてねっ」

    「うぅ…ほっぺがヒリヒリします……」

    少女は赤くなった頬を押さえて涙目で訴えるが、少年は気にもとめずに慣れた様子でキッチンへと向かう。

    「で?俺はすだこちゃんのご両親が一時帰宅するからーって4日も外に出てた訳だけど。なんか言ってた?」

    「えと、いえ…。特には何も……」

    「何もって事は無いデショ。未成年の娘の家に酒瓶あったり明らかに使用されてる空き部屋なんかあったら普通一言くらいさぁ」

    ガサガサと冷蔵庫を漁り、目当ての缶を探しながら少年は言う。

    「無いです。…私に興味ないんです。あの人達。普通じゃないんですよ、うち。」

    俯いたまま普段の気弱さが伺えない様子で淡々と少女は言い切る。
    そんな少女を横目に見ながら、お目当ての缶を見つけた少年はプシュ、と音を立てプルタブを開けた。

    「ふーん、ま、いいけどね。俺は住む家が無くならなきゃそれで。」

     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     





    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works