南北馴れ初め南北の馴れ初め、先に自覚するのは南森くんです。リアルイベントで外出した北海ちゃん、イベント参加者の配信者の男性に執拗いナンパをされた時にたまたま近くにいた南森くんが助けてくれます。ここで妹みたいに思ってた北海ちゃんが他の男に取られそうになってめちゃくちゃ腹が立った南森くん、自分の恋心を自覚。北海ちゃんも南森さん、実は悪い人じゃないのかもって意識し始めます。チョロいです。
自覚してからの南森くんはポンコツです。結構色々ダダ漏れです。本人は隠してるつもりですが。でも北海ちゃんは気付いていません。
ある日べろべろに酔った南森くんが好きな人がいると言うのでどんな人か聞いたところ、あぁ、凄く好きなんだなぁと分かる顔で「人の痛みがわかる優しい子」だと答えます。どーせスタイルが良いとかだろうと思っていた北海ちゃん、なんだかモヤモヤします。その日から意識して南森くんを観察する様になりました。
しばらく観察していると北海ちゃんは気付きました。
あれ、この人の好きな人、私じゃないかと。
そして私もこの人が好きだと。
そんなある日仕事に行っていた南森くんがでろでろに酔って友人に連れられて帰って来ました。初めて南森くんの仕事スタイルを見た北海ちゃんはドキドキです。
そのままベッドに運んで、酔った南森くんに手を出されます。北海ちゃんは南森くんが好きだし、南森くんも自分を好きだと知っていたので拒みませんでした。
事後、北海ちゃんは夢を見ます。幼い頃の夢です。
ボロボロと涙を流しながら飛び起きた北海ちゃん。隣ですやすやと寝息をたてる南森くんを見て涙が止まりません。嬉しい、悲しい、申し訳ない、幸せ。思い出した記憶に色んな感情がぐちゃぐちゃになって苦しい。
北海ちゃんは南森くんを残して、痛む身体を引きずりながら部屋を出ました。
翌朝目が覚めた南森くん、二日酔いで痛む頭を押さえながら起き上がります。髪はワックスつけっぱなし。部屋に散乱した衣服。全く覚えていないけど女の子連れ込んだりしたのかなぁと呑気に思います。
リビングに出ると朝食とメモが置いてありました。北海ちゃんからです。
「朝ごはん、温めて食べてください。お薬も置いておきます。今日は体調が良くないのでお部屋にいます。何かあれば呼んでください。」と。
南森くんはなんだか嫌な予感がしました。
朝ごはんを食べてシャワーを浴びて、夕方になっても北海ちゃんは出てきません。
心配になった南森くんは北海ちゃんの部屋をノックします。返事はありません。入るよと声をかけ、ドアを押すと簡単に開きました。鍵はかかっていなかった様です。
北海ちゃんはベッドの上で座って毛布を頭から被っていました。
南森くんは北海ちゃんに近づき、何かあったのか聞きました。返事のかわりにすすり泣く様な声が聞こえました。
南森くんは毛布をどかして絶句しました。
そりゃそうです。北海ちゃんには昨日南森くんがつけたキスマークやら噛み跡やらが沢山ついてます。更に北海ちゃんは泣いています。真っ赤になった目元を見るにずっと泣いていた様です。南森くん、やってしまったと顔面蒼白です。慌ててごめんと言おうとした時、それより早く北海ちゃんがごめんなさい!!と叫びました。
「な、なんですだこちゃんが…」
「ぅ…ぐすっ…ごめんなさい!!こんなに優しくしてくれたのに…こんなにずっと守って貰ってたのに…ふ…ッう…忘れて…ごめんなさい…ごめんなさい…ッ…おにぃさん…ごめん…なさ……!」
「な……んで…すだこ、お前、記憶が……?」
南森くんは震える手でごめんなさいと泣きじゃくる北海ちゃんを抱きしめてボロボロ泣きました。ごめんなさい。忘れていてごめんなさい。良いんだよ。大丈夫だよ。と言いながらしばらく2人で泣きました。
まぁ、その後南森くんが北海ちゃん好きなのモロバレだし北海ちゃんも南森くんが好きだよって話して付き合いはじめました。
これが南北の"サビ"なんで……