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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    瀬島さん(@Doggy_t_ff14 )に自機概念ピアスを素敵な解釈と共に作って頂いたので衝動的に書いてしまった🦍と🐇さんと耳飾りのお話

    #ディンエラ

    耳飾 ねぇねぇ、とリンクシェルの通信に応じると同時に聞き慣れたヴィエラの声が届いた。
    「今、何してる?」
     日課のペルペル族の依頼を完了し、報告していたところだったのでその旨を伝える。今日の分まだだった!とひとりごちた彼女が指輪を用いたテレポで飛んできた。モンクに切り替わり駆け足で受注した依頼の中でモンスターを討伐するものがあったらしく、上目遣いで見つめて来られる。苦笑して頷くと、にっこり満足気に微笑み返された。
    「で、何の用だったんだ?」
     ひと段落した辺りを見計らって声をかけると、あぁ!と思い出したかのように彼女はいつもの踊り子の姿に変わる。見て見て、と背伸びしてきた彼女の耳元で、見慣れないイヤリングが揺れていた。
     黒と赤、そしてピンクの天然石が用いられたイヤリングは繊細かつ緻密なデザインで仕上げられている。よく見ると同じ石をあしらっている部分もありながら、微妙に左右の石の配置などが異なっている。
    「アシメ仕立てか?」
     左右不対称のデザインをそう呼ぶのだと、かつて教わった表現を使うと彼女が意味深に口角を上げた。返答を誤ったかと不安になっていると、ゆらゆらと首を傾げながらどう?と尋ねて来られる。
    「どうって……似合ってると思うが……」
     彼女の動きに合わせて揺れる耳飾りを眺めながら答えるとうんうんと力強く頷かれた。
    「他には?」
    「ほかには?」
     まだ不足があるようで彼女の質問を鸚鵡返しにし、少し考え込む。用いられている石はオニキスのみ特定でき、ピンクの石はローズクォーツにしては落ち着いた色合いや輝きを放っていた。赤というより褐色に近い石もどんな種類なのかも判別できず、表情が険しくなる。
     正解が分からず疑問符を浮かべていると手を出すよう言われる。
    「はい、ディンの分」
     自身の片手に収まる小さな包みの中には、彼女の耳元で揺れているものと同じデザインのピアスが収められていた。
    「ドマ町人地のエーテライト前でね、青空市場?なんか手作りの品を売るイベントやってて」
     そこでたまたま天然石を用いたアクセサリーを仕立ててくれる人の店と、自分達のイメージに合った逸品に出会ったらしい。聞いているだけで楽しそうな場面とそれに興奮した様子が伝わってくる。
    「理性の石と、己の心を守る石だって」
     手元から目を離せずに目を瞬かせていると、あしらわれている黒い石を彼女のしなやかな指がそれぞれ示しながら説明してくれる。
    「こっちのピンクいのと赤いのは、私達のメッシュのイメージ!」
     なるほど耳飾りに用いられている石は2人のイメージを表していたらしい。一度目線を上げて色合いを確認してみて、なるほどと頷く。では今までの説明に該当しない、小ぶりで艶やかなピンクの天然石は何を表しているのだろうか。
    「そしてこれはインカローズ」
     伏せていた目をインカローズからこちらに向けて、意味深に微笑みかけられた。初めて見て聞いた石だと思いながら頷くと、彼女は微笑んだまま頷き返してくる。

    「着けないの?」
     しばらく見入っていると不思議そうに首を傾げられた。自分では買わないだろう繊細かつ上品なデザインは仕立てた人のセンスを窺わせる。慎重に外し、耳に着けてみた。うんうんと今日一番満足気に頷いた彼女の耳元で同じように揺れている耳飾りを見て、もしやと思う。
    「もしかしてこれ、アシメじゃなくて」
    「お気付きになられましたか」
     やや大袈裟に髪をかき上げふふん、と鼻を鳴らした彼女が顎に手を添えてこちらに向き直った。
    「迷ったから両方買っちゃったよ!」
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    mitotte_kazu

    PASTヴァレンティオンを満喫している🦍と🐇の短いお話
    贈呈 毎年恒例になりつつある、海都でのヴァレンティオンの催事場巡りに今回も付き合っていた。ヴィエラに付き添っていただけの当初に比べて多少慣れてきたルガディンも、露天を覗き見比べる余裕が出来てくる。
    「これは今年の新作か」
    「そう〜!去年から定番になったこっちも美味しいよ!」
     少しわかってきたと思っていたが、やはり彼女の知識量などには勝てない。真剣な顔で次の店の品定めをする彼女の手から、戦利品の入った紙袋を苦笑しながら受け取った。ありがと、と身軽になった身体で手早く会計をすませる彼女を遠巻きに眺めていた。
    「ここの好き」
     何軒目かを巡っていた時に彼女が呟いた店のチョコレートや包装に見覚えがあった。以前貰ったものだな、と何気なしに視界に入った価格を二度見して、目を剥いてしまう。横に書かれた説明を流し見て、ブランド物のククルビーンを手間暇かけて加工してウルダハで販売している有名店だとようやく把握できた。通りで高価で美味いはずだと1人納得している横で、また真剣な表情で陳列されている商品を吟味している彼女が頷いた。これとこれください、と慣れている彼女の指がチョコレートの上を滑っていく。彼女が選んだ商品が丁寧に包まれていくのを眺めながら、パッケージまで可愛いな、などと思った。
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    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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