其の願い、叶えたり。「与謝野さん、うずまき行こう!」
医務室の扉を豪快に開け、有り難いお誘いの言葉を放ったのは乱歩さんだった。
「善いねェ、丁度小腹が空いてたとこさ」
時計を見れば午後三時を過ぎている。特別依頼もなく、事務処理に追われる国木田くん以外は暇をしているところだろう。
「鏡花達も誘おうか」
「いや、敦くんと出掛けてるからいない」
「おやそうだったかい、賢治は?」
「賢治くんは休みじゃないか」
「あ、然うだった」
うっかりしていた。今朝の朝礼にいなかったじゃないか。と云っても形式だけで殆どの者が参加していないが。今目の前にいる乱歩さんも例に漏れずだ。
「与謝野さん大丈夫? こん詰め過ぎなんだよ」
「本当だ、休憩挟むにもってこいだね」
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