ハロウィンナイト狂騒曲 10月初旬。トリスタン家では家族4人が一同に会し、その間には重々しい空気が流れていた。「じゃあ」と口火を切ったのはライラだった。
「第一回、トリスタン家家族会議を始めます。議題はハロウィンの仮装!活発な議論を期待します。」
それより遡る事数日前。
「なぁ、今年ハロウィンやらね?」と発言したのはリップである。
「何言ってんのアンタ、仕事忙しいくせに」すかさずラトラが突っ込む。
「じゃあ仕事終わらせれば良いんだろ?」
「いや、まあそうだけど…いやいや終わらないでしょ課題もあるのに」
「大丈夫だって」
と、そこに
「ハロウィンやるのら?バニーもやりたいのら!」
という鶴の一声(兎の一声)にラトラも流石に反対も言い出せず、今年のトリスタン家ハロウィンは決行されることになったのだ。
話は家族会議に戻る。
ピシッと手を挙げたバニーを「はい、バニーさん」とライラが指名する。
「んっとね、バニーはね、ウサギさんやりたいのら!」
「そうね、バニーはウサギさん好きだもんね」とラトラが同意。
「いいな、ウサギさん、似合うんじゃないか?」
「それではバニーの仮装はウサギさんで良いですか?」とラトラがまとめる。
「「「異議なし!」」」
「それではバニーの仮装はウサギさんに決定します。では次にリップの仮装について決めましょう」
「はいはい!俺サキュバ…」とリップがいい終わる前にラトラがリップの口を塞ぐ。
「ハイ。私はリップの仮装は王子様がいいと思うわ。何となくぽいし。てか白馬の王子だし」
「むがもご(何すんだラトラ)」と塞がれた口でリップはラトラに問うた。
(バカね、子供の前で淫魔の名前出すんじゃないわよ教育に悪影響もいいところよ)とラトラは耳打ちし、口を塞いでいた手を離した。隣でリップが荒い呼吸を整える。
「バニーもいいと思うのら!リップゥに王子様、似合いそうなのら!」
「リップさん、異議申し立てはありませんか?」とライラがリップに向き直る。
「異議なし」
「ではリップの仮装は王子様に決定します。ではお姉ちゃんの衣装を決めましょう。何か意見がある人は…はい、お姉ちゃん」
「私は魔女をやりたいわ。私それっぽい服とかいっぱい持ってるし。まぁ、多分私に一番合うんじゃないかしら?」
「他に意見のある方はどうぞ」
「たしかに、似合いそうなのら!」
「お前は悪魔だろと思ったg……」
リップがそう言った瞬間、