4スレ、5ノレのWデートもう一人のエランさんとその彼女のノレアさんのことをもっと知りたいです!から始まったWデート
ジェットコースターに乗りたいスレッタと5号。
全く興味ない4号。
スリルを味わって楽しむ感覚が理解できないノレア。
「ええ~入ろうよ~」
「行きません。勝手に一人で楽しんできてください」
押し問答する二人。
行きたそうにもじもじするスレッタを見て4号が、
「じゃあ二人で行ってくれば。僕は彼女と待ってるから」
そう仲裁する?の眉をひそめる5号と、ちょっとショックを受けるスレッタ。
行列に並びなんやかんや二人で楽しむけど、どこか寂しそうなスレッタ。
「私が行きたがったからついてきてくれた、んでしょうか。一緒に楽しみたかったんです…」
「その気持ち、あいつに直接言ってみたら? 答えてくれると思うけどなあ」
「そう、ですね…。戻ったら伝えてみます」
スレッタと5号を待っている間、最初は立って待っていた4号とノレア。
片や読書、片やスケッチで何の会話もない空間だったが、時間が経つうちに疲労がたまって立ち眩みでふらついたノレアの腕を4号が取って支える。
「あそこで涼もうか」
とカフェを指してノレアを連れて行く。
涼しい空間と冷たい飲み物で休むことで、自覚していた以上に目の前の男に緊張していた自分に気づく。
「ここのパフェはおいしいらしいよ」
と勧められ、助けてもらった手前食わず嫌いだったパフェを断ることができず注文する。
いざスプーンを手に取って食べてみると、口に広がる甘味に感動する。以前5号が気になるパフェのお店リストを押し付けてきて一方的に拒否していたことを思い出す。
行ってみてもいいかも、とスプーンを行き来させつつ、4号のほうをちらりと見るとノレアには全く興味を示さず黙々と読書していた。
スレッタの前にいたときは一切本を出しておらずずっと彼女を見ていたことを思い出し、自分には興味ないことに安堵するものの、そつのない行動に苦言を呈する。
「私はあなたに興味ないので構いませんが、思わせぶりと受け取られるような行動はやめたほうがいいですよ」
「? なんの話?」
カフェにいると連絡は受け取っていたものの、戻ってみたら本当にいて嫉妬心がうずくスレッタ。
ただノレアが倒れそうになったと事情を聞くと心配になったが
「問題ありません。彼に助けて頂きました」
と感謝され4号のことが誇らしくなる。
5号は空になったパフェの器を見て
「あれ? パフェ好きだったっけ?」
「初めて食べましたが悪くありませんでした」
いつも通り澄ました表情で答えたあと、言いにくそうに目を伏せて
「今度、おすすめの場所に連れていってください」
と言われ目をぱちくりさせる。
事あるごとに行こうよーと誘っていたが全部断られており諦めていて、ノレアの興味を向けさせるにはもう少し時間がかかると思っていたので、思わぬ儲けものをしたと5号は嬉しくなる。
「もちろん。君と行きたくて作ったリストだからね」
カフェを出て二人きりになったタイミングでスレッタは話を切り出す。
「私もパフェを食べたかったです。おすすめの場所を知っていたなら教えてくれてもよかったのに……」
「別にいいけど……。アトラクションやパレードに興味津々のようだったから」
思い返せば、初めての遊園地に興奮して計画していた段階から話題のほとんどがアトラクションとパレードだったことに気づき、自分の失態に思わず顔を覆うスレッタ。
その様子をじっと見つめて、
「紹介されていたカフェがもう一つあるんだ。あの二人と一緒に行ってみる?」
スレッタは、ぱああと表情を明るくする。
「はい!」
「ジェットコースターのこと、なんですが。こ、今度一緒に楽しみたいのでついてきて欲しいです。あと、他の女性もいいですけど、か、かか彼女の私にも、もっと構ってほしいです」
「同じようなことを釘刺されたな……」
「え?」
「ノレアから言われたんだ。不安にさせてごめん」
まっすぐ見つめられ、意志の強い視線に思わず息をのむ。その瞳に写っているのはスレッタのみ。
「君は僕のパートナーだから」