drag dreamtale#番外編やっと、やっと二人だけ、
誰にも邪魔されない世界を作れた。
おにいちゃんはずっと同じまま動かない。ちょっと冷たい。
「やりすぎちゃって死んじゃったかなぁ。」
まあ、どうせすぐ戻ってくる。
「ハッ!………!?ここはっ!?どこだっ!?………あっ………まただ……」
俺の顔を見るなり絶望で膝から崩れ落ちるおにいちゃん、本当可愛い。
「一体お前は何がしたい!?俺を拷問しても何も生まれない!」
「拷問?そんなことじゃないよ?これは、全部全部全部、おにいちゃんの為にやってるんだよ?」
「どこがだよッ!!!!俺は、………一体、……ッ、何回、何十回、何百回、いや、何千回殺したんだよォッ!?!?」
浮気かなぁ。知らない奴の臭いなんて一切しないのになぁ、
「そう俺にまた刃向かってたら、また、」
グ、ググ……グ、グ……
「うっ、あ、おぇ、やめて、ェ!………げほっ!がはッ!くるしい、………わかった、………げほっ、もう、しないから、っァ!やめてェ!」
また、また顔から溢れてしまう愉悦の笑み。
また逆らったら、骨を折って、身体中の水分をこれでもかと出して、出汁をとって、おにいちゃんごと、
「おにいちゃん、俺に逆らったら、……………分かるよね???おにいちゃんは、賢いから、分かってくれるよね???」
「…ひッ!……わかった、ッ、わ、わかったからぁ………ゆるして……おねがい、ごほッげほっ」
「分かったら良いよ、おにいちゃん。愛してる」
軽くおにいちゃんのおでこにキスをした。
「君たちはおかしい」
…………は?誰?なんで入れているの?
「お前、誰?何故入れた?」
「いやー、苦労したよ。キミたちの世界線を中から改変したのは。けど、外観までは戻せなかったけどね!」
「俺とおにいちゃんの邪魔をするな。早急に去ね!」
「怖いなぁ。けどこれもこっちの仕事なんだよ!」
ガスターブラスターを向けられた。
避けるのなんて簡単なのに、なんでこれを出したんだろう。
「君達は異常だ!この世界線を早くニンゲンが来る前にリセットしないと!」
「ねぇ、おにいちゃん?おにいちゃんも、やってくれるよね?」
おにいちゃんと目が合うとすぐに動いてくれた。
「誰だか知らねぇが消えて貰うぞ!」
ブスっ!
おにいちゃんは毎回無茶する戦い方。
リスクも気にせず、ドーピング薬を毎回打つ……………、
「もうっ!嬉しいけど、無茶しないでよね、おにいちゃん!」
けど、どんなに抗おうが、この世界は本当の無に戻っていくばかりだった。
「もう、ここには居られないね、おにいちゃん」
世界が黒に侵食されていく。
「サヨナラ、知らないペンキくん。」
そうやって俺とおにいちゃんは他のAUの世界線に行った。
「もう!僕はペンキじゃなくてインク〜………あれ?」