プレフル時空の二人の話 入学早々我らが女王様に散々歯向かってくれた後輩は、納得できないことへの跳ねっ返りがもうすごい。意地っ張りだとか頑固だとかを通り越して、ハリネズミの針のように折れる気がないのだ。むすっと拗ねた表情は普段なら愛すべき一面だと言えるのだが、不満の針先が自分に向いている今、ケイトは奪われたスマホにあちゃーと頬を引き攣らせるしかなかった。
「この写真、なんすか」
と、ベッドの上でエースが唇を尖らせる。
「ただのジャックくんとのツーショじゃん? エースちゃんたちと別れた後、一緒に隠れキツネ探したんだ」
「ケイト先輩、あのとき一人で隠れキツネ探しに行きましたよね? なのに何でジャックのやつと行動してるんすか」
「たまたま会っただけだって〜。先輩のオレに気を遣ってくれたの」
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