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    warabi_hq

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    warabi_hq

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    🍙の気持ちが、双子から離れて🌾さんに寄っていく過程はどんな感じだったんだろう?という妄想。
    二人もう付き合ってます。
    大人になって二人とも実家を出た前提で、何かの用事で帰ってきてるときの二人の会話。

    #おさきた
    #治北
    theNorthOfTheCountry

    兄弟喧嘩「なぁ、ツム」
    「なんや、サム」
    「北さん、今頃何してはんのやろな」
    「…………」

    治の問いかけへの侑の返答はなく、雑誌をめくる音だけが静かに響いた。

    高校を卒業し、双子が二人とも実家を出た今も、実家に顔を出せば部屋にはあの頃と同じ2段ベッドが待っていた。双子が成長したからと言って、家の間取りが変わるわけではない。

    「なぁ、ツム」
    「なにて」
    「北さ「もうわかったわ!!!」」

    声と同時に上段に横になっていた侑の腰のあたりの床板が、急に盛り上がり始めた。二枚に分かれた床板の継ぎ目の部分を下段の治が器用に両足を使って押し上げているのだ。

    「こらこらこらこら!やめえや!!」

    侑が地元を離れて数年。いつの間にか、北さんこと北信介と双子の片割れ治が良い仲になっていた。いつの間にか、と言っても全く心当たりがないわけではない。おにぎり宮を開業するにあたって、いろいろと相談を聞いてもらっている様子だったし、おにぎりに北さんの育てたお米を使わせてもらうことはもちろん、稲刈りの手伝いや、田植え、野菜の収穫、最近では北さんのおばあちゃんのゆみえさんに店を手伝ってもらっていることすらあった。

    「お前、そんなんで今までよお付き合うとること隠せとったな」
    「別に隠そうとしとったわけでもないしな。あかんねん。なんか、どんどん好きが大きくなんねんもん」
    「聞きたないわ。相手、あの北さんやろ」
    「せやで」

    当然のように答える治に、侑は一瞬言葉を失い、なんとか声を絞り出した。

    「サム、お前ドMか」
    「なんてこと言うんや。ああ見えて、北さんめちゃくちゃ可愛えとこあんねん。そのギャップがたまらん」
    「全然想像つかんわ。なんならあの神聖な北さんを穢す罰当たりな行為としか思えん」
    「よう考えてみい。北さん、ゆみえちゃんの血ぃひいてんねんぞ」
    「たしかに……ゆみえちゃんか」

    おにぎり宮で何度も顔を合わせたことのある、北さんのおばあちゃんの笑顔が浮かぶ。
    通称『ゆみえちゃん』として、店ではアイドルのような存在だった。いつもニコニコとして、可愛らしい、太陽のような人だ。同じ太陽だとしても、北信介が目の奥に突き刺すような真夏の日差しなら、春の柔らかな陽射しのような。

    「………あかんわ、逆にお前、あのゆみえちゃんの大切なお孫さんになんて罰当たりな事してんねん」
    「まあ、そりゃあ、そこは、なんとも思わんことはないけどな。でも、そのお孫さんがええ言うんやからええねん」
    「……なあ、サム、その足でギューてすんのやめえや言うてるやん」
    「お前が俺の問いかけをスルーしよるからやないか」
    「なに言うてんねん、ちゃんと会話してやっとるやろが。俺がこれで腰こわしたら責任取れんのか」

    治は足の裏にかかる程良い重さだけに感覚を集中しながら、おにぎり宮を開業すると決めてから今まで、侑と些細なことで兄弟喧嘩になっては、北さんのところへ相談に行った時のことを思い返していた。

    正直、喧嘩や相談の内容は毎回毎回とるに足らない些細なものだったと思う。はじめは店に関係のある内容の時だけだったのが、そのうち、自分の親戚の家を訪ねるような、大切な家族に会いに行くような、そんな気持ちになっていった。あの家を訪ねる度に、北さんやゆみえさんの拵えた旨いものを口にして、二人の柔らかな笑顔や考え方を浴びて、たくさんの旬のお土産を持たせてもらって、穏やかな気持ちで帰宅した。

    目の前に置かれたものは何もかも旨い旨いと全部平らげていた自分と違って、北さんはきちんと下準備をし、食材の組み合わせや、量や温度、調理時間まで、全体を考えて一番旨いと思えるものを拵える。それはゆみえさんも同じで、彼女は特に『旬のもの』を大切にする。あの二人を訪ねるたび、旨いものへの真摯な向き合い方に、背筋がぴんとのびる。あの家を訪ねることで、沢山のことを学ばせてもらったのだ。

    (侑と喧嘩せんかったら、逆に気付かんかったかもしれんな)

    「おい、サム!聞いとんのか!」

    どれくらいそうしていたのか、二段ベッドの上の段から、ひょっこりと逆さに顔を出して怒鳴る侑の声で我に返った。

    「ああ、すまんな。悪かったわ」
    「ま、まあ、分かればええんやけど」

    急に素直に両足を降ろし、布団をかけ直す治の様子に拍子抜けした侑は、怪訝そうに顔を引っ込めた。

    「なぁ、ツム」
    「なんや、サム」
    「北さん、今頃何してはんのやろな」
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    warabi_hq

    MAIKING途中書きのどんきつねさん的なきたさん。
    まだようやく両片想いになったくらいの段階。
    治はこの頃お店の2階に住んでいます。
    小さなキッチンに見合わない大きな冷蔵庫を置いていて、部屋は和室なのでテーブルじゃなくちゃぶ台で食事。
    お店が軌道に乗ってきて、時間的にも金銭的にも余裕ができてきたらもうちょっと広い近所のマンションに引っ越します。
    白狐宮治にとって『飯を食う』という行為は、人生の中で1番の幸福な時間であった。ところがこの数日、落ち着いてその至福の時間を過ごせていない。

    おにぎり宮の営業を終え、一人暮らしにしては立派な冷蔵庫のある部屋に戻り、一日頑張った自分のために拵えた夕飯の並んだちゃぶ台の向こうに、ちょこんと正座する想い人、北信介の姿があった。いつもと変わらない服装のそのひとには、本来あるはずのない、狐のものと思われる真っ白いふわふわの尻尾と、頭の上にはツンと立ち上がった同じく白くふわふわの三角形の耳が存在していた。彼は治が食事を摂る間、きちんと正座をしたまま、じっとその様子を見守っている。

    これが、治がここ最近落ち着いて至福の時を過ごせていない大きな理由だった。そもそも実家で農業を営んでいる彼が、こんな時間に街中の治の部屋にいるはずがないのである。
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    DONE2022年8月28日(日)GOOD COMIC CITY 28内RTS!! 36にて頒布しました無配SSです。
    良い歳になった二人の短いお話。
    SSまとめ本「雨宿りに君を想う」内のお話のとある一文と僅かにリンクしています。(本当に極々微量)
    お迎えくださった方は探してみてください😌
    喧嘩をするほど【治北】(RTS36頒布 無配SS) 喧嘩をするほど仲が良い、は結局分からず仕舞だ。
     俺が信介さんに怒られて喧嘩にすらならないだろうと思っていたのは若い頃のほんの短い間だけで、案外信介さんは頑固でムキになる。年々それは増してきたように思うけど、自分の意見が強引だと気づくとすぐに訂正して謝る柔軟さも年を重ねるごとに増していったと思う。だから結局、喧嘩になることは少ない。
     これからたくさんある二人の時間をどうしようか、と話をして、やりたいことがいっぱいあったはずなのにどちらも思い出せず、なんだったっけと笑ってしまった。お互い仕事と日常が切り離せない仕事だったから、こういう日々を楽しみにしていたのに。
     とは言え、一応二人ともまだ現役ではある。俺は店に立つ日数を減らして、信介さんも田んぼをやる時間を短くした。どちらも、もう自分でないと、という仕事の仕方ではなくなっただけだ。
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    takikomi_maze2

    DONE神さんにお仕えしてる狐北さんの片想いのお話です(治←狐北さん)北さんの切ない顔が見たくて書きました。

    治北の日に向けて書いたのですが、間に合わず…でも無事に11月中に完成しました!
    長いためぽいぴくでは3つに投稿を分けています。
    力尽きて推敲はざっくりなので少しずつ直していくかもです。
    続きはこちら②→
    https://poipiku.com/1909016/7832007.html
    心の実る処【治北】① 散々ためらった末に信介は漸く戸のくぼみに指をかけた。途端、炊けた米と出汁の温かい香りが一気に胸を満たした。
    「いらっしゃいませ!」
     店内から威勢の良い太い声が響いた。
    「お客さん、店内ですか、お持ち帰りですか?」
    「えっと……」
     カウンターの向こうから帽子を被った男が同じ声量で聞いてきた。まさか選択肢があるとは知らなかった。店内を見ると座敷の席に家族だろうか、一組座っていて、数席のみのカウンター席には一人掛けていた。
     店員を見るとにこにこと笑ってこちらの返事を待っていた。
    「そこの席、空いてますか?」
     カウンターの角の席を指差すと、どうぞ、と男が着席を促した。座ってから改めて店内を見渡すと、カウンターもテーブルも深い飴色になった木材で床は石のような硬い材質でよく磨かれているのがわかった。
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