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    gomimakiba

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    POIPOI 13

    gomimakiba

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    下にあるゆらひるの続き。昼彦の髪をカットする幽と、見守る松おじ。愉快なひしゃく編

    松は見た 確か昼頃だったようなと「昼子」と幽が呼び掛けると横にいた男がその名前は縁起が悪いと言った。昼美、昼、普通に昼でどうだと幽は男に提案するが幽と被るのではと返すと幽はそれでもいいがと呟き、黙った。子供はなんの話ですかという顔で幽をじっと見ている。そういえば男だったと思い出した幽は「昼助、昼太郎、昼彦」と順番に呼びかけ、「昼彦。呼びやすいからこれにしよう」と決定し、男はかわいそうにと呟き、当の子供は「わーい」と喜んでいたのでなんでもいいらしい。
     男は松の盆栽をいじりながら髪も切った方がいいなと思った事を零した。幽はそこにあった姿見に昼彦を向かせ、「鬱陶しいな」と言いながら縦横無尽に伸びた髪の隙間に手を入れ、灰桜色の髪を指で弄ぶ。乾いた方が明るい色になり、差し込む陽に当たって美しい。
     男が「俺の馴染みの」と言う前に幽は「ではやろう」とすぐハサミを手にし、「目を瞑れ」と命じた。素直に目を閉じ、少し下を向いた姿は屠殺されるために頭を差し出す家畜のようだった。余計な事を言ってしまったと男は焦る。あとそれは盆栽用の鋏だがと言う前に昼彦の前髪は眉上に揃えられていた。
    「あちゃ〜」
    「いいな」
    「風呂場でやりなよ」
    「濡れてるだろう」
    「なんか敷きなよ」
    「長いからいいだろう」
     良くないし長いからなんだと言うのだろう。幽は男の話を何も聞いてくれない。盆栽を触るなという言いつけも守ってくれない。盆栽のバランスに口を出すのもやめてくれない。服を床に撒き散らすなと何度言っても聞いてくれない。きっと今、脱衣所は事件現場のようになっているのだろう。
    「幽は自分の前髪も切れないだろう」
    「できるが?」
     できないから三つに分けるようになったんだろうがと反論するのを諦めた男は黙り、松を撫でた。松はちくちくした。
     幽は「動くなよ」と言い次にサイドの髪を適当に束にして掴みざっくりと横に切った。髪に対する切り方じゃないと男ははらはらするが、無駄に手早くもう片方のサイドも同じようにざっこりと切られてしまった。あまりの無体に男は思わず自分の立派な三つ編みを握る。「めをあけてもいいですか」とずっとじっとしていた昼彦が聞き、幽が了承し、「見ろ」と姿見を指した。
    「わー!」
    「俺の馴染みの」
    「かわいい!」
    「そうだな」
     じゃあ後ろを切るからなと幽は一掴みにした後ろ髪を腰あたりでごりごりと切った。そこは何だか知らんがロングを維持するらしい。瞬く間に出来上がったピンク色姫カットの子供に、統領ともなると人の髪に四回鋏を入れるだけで完成させるのだと男は妙に感心し、とうとう「いいね」と言った。降参だ。
    「かわいい!」
    「そうだな」
     同じ会話を何度も繰り返す満足げな二人を横目に、男は松をそっと仕舞った。

     

     
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    gomimakiba

    DOODLEチヒ柴&国柴
    チヒロくんの誕生日プレゼントを買いに行く迷えるおじさん柴
    チヒロくん誕生日おめでとう2025 なんで俺がおもちゃ売り場に立ってたら店員がケツの穴まで舐めるくらい見てくるのであろうか。ガキは人だと思わんのかやたらぶつかってくるし、ガキの親は無言でガキを抱えて逃げるのは何故なのですか。デンシャ。クルマ。ヘリコプター。チヒロくんがこれらに興味を持っていると聞いた事はない。それはそうや、見る機会がそうそうあれへんねんから。店員にお探しのものがおありでしたらお聞きしますと言われて俺は、子供を探しているんですと言ってしまって店員まで離れていった。この店はもう出ようかな。

     だいたい六平の誕生日もハッキリわからんのに千鉱くんの誕生日マジでいつなんて感じなんだが六平は六平の六月、チヒロくんは盆くらい、細かい日付は適宜言うてくれの姿勢を崩さないまま、今年も六平にチヒロの、チヒロの、とコソコソ丸投げされて俺は街を彷徨っています。チヒロくんおそらく七歳くらいであろうか。チヒロくんに何が欲しいか聞いても木と妖精しかおらんような山におるのに何もわからんやろうし可哀想や。俺が粋なもんあげてしもたらあんな山ん中ぶっちぎって街に飛び出して帰ってこんようになってまうんやないやろか。俺はそう思いながら怪しい土産物屋で仏頂面のコケシを掴んで、コケシを身代わりに山を降りるチヒロくんを想像した。コケシを可愛がる六平は簡単に想像できた。チヒロー今日も刀晴れだなあ! ん? 刀晴れは刀晴れだろ! チヒロ! それアチいから気を付けろよ、お前今木製なんだから……狂ってんのかなアイツ。代わりに電動コケシでも買って行って乳首ブンブンいわしたろかなと電気屋で見本のマッサージ器を触ってみると、削岩機みたいな音がしたからそっと置いた。チヒロくんが飛び起きてまう。乳首も削れてまうし、どうせ最終的に突っ込まれるであろう俺のケツも木っ端微塵にされてしまう。
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    recommended works

    kikhimeqmoq

    DONEチヒ柴。チヒロが16歳か17歳くらい。付き合ってない。解釈開陳ポエムです。
    不思議な踊り寝ている柴の頬に指を乗せた。三十代男性の平熱がどの程度がは知らないが、いつ触ってもあたたかいと思う。今日は千紘のミスがあり、薄い切り傷ができたせいか、平時よりも熱い気がする。自分の唇で確認しても、彼の体温が高いか低いかは分からなかった。とにかく自分の唇が冷たいので、比較しようがない。唇だけ死を引きずってきたのかもしれない。今日、切り殺した奴らの名前も知らないのに、冷たさだけが繋がっているのは面白くなかったので、その考え方はやめた。おそらく、千紘の唇は国重が死んだときから冷たい。唇だけではなく手足も、心臓も。
    音をたてないようにゆっくりと柴の上に屈み、そっと唇を合わせた。柴の唇はあたたかく、柔らかく、滑らかだった。冷たく、硬く、かさついた自分とは違う。じっと粘膜を合わせていると、徐々に自分もあたたかくなってくるような気がした。自分と同じように毘灼を憎み、人を切り、周囲を裏切っているのに、ちゃんとあたたかみがあるのはどうしてだろう。大人になれば自分もそうなるんだろうか。それとも、いたずらをして冗談を言えるようになればいいんだろうか。それならば国重の唇もあたたかかったんだろう。
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