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    yaginoura0811

    @yaginoura0811

    キショウタニヤマボイスの世界で13年くらい生かされてます。

    雑多なものの基本は総じて右側。推しの移り変わり激しい人間。推しの右側エロ大好き!!!!!!性癖色々。

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    yaginoura0811

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    アメシガ流通話。
    ドモン君色々される。

    イマラ
    インセイ
    ダクテンアエギ

    医者なんてとうの昔に滅びた(前編)アメシガ。これは金薬扱いされる以前の話。

    とある闇商会の間で噂になっていたアメシガは煙草─ヤニ─をやっている人間は数少なかった。
    噂によれば一度開けただけで世界が変わるのだとか。
    気分は有頂天になり、気持ちが大きくなり自信が体の底から湧き上がってくるという。
    その噂を聞きつけた族達はアメシガを求めて流通が行われている場所に屯していた。

    「アメシガがあるってのはここか?」
    「どうやらそうらしいっす。なんでも実践販売してるとかで」
    「実践販売?なんだそりゃ」
    「さぁ、知り合いが言うにはとんでもなく最高だとか」
    「なんだぁその小学生みたいな感想は。まぁ、とにかく入ってみりゃ分かるか」

    男達は雑談をしながら倉庫内に入り地下へと続く階段を降りた。
    そして行き止まりにあった扉の前には屈強な男達が立っている。

    「…IDは?」
    「アイ、エム、エス、ジー」
    「……入れ」

    事前に教えられていたIDを言い伝えた子分は開いた扉の中へボスを先に入るように促した。
    妙に甘い匂いがボスの鼻をつき、なんとも言えない雰囲気を漂わせていた。
    足音が響く中、目の前に現れた光景にボスが眉を顰めた。

    「なんだぁ、あの餓鬼。目、やべぇな」
    「ありゃあ、もう昇天─でき─上がってますぜ」
    「あ?どういうこったそりゃ」
    「んぁあ?あー、ご新規さんかいのぉー」

    妙に気怠い声が聞こえてきてそちらに目をやると、癖っ毛で少し隠れている目の下には隈があり、ニヤリと笑う口元には黒いホクロが一つ、顔色の決して良くない青年がボスの方を振り返った。

    「…お前が、アメシガ持ってるっつー餓鬼か?」
    「ほおじゃ。よう来たのぉ。待っとったで」

    青年は少し不気味に笑ってフラつきながらボスに近づく。
    顔つきとは裏腹に身体は適度な筋肉質で整った身体つきをしていた。
    腰にはモチーフであろう子ウサギのシンボルがベルトについていた。
    ボスはそのシンボルに見覚えがあった。

    「お前、まさかウチのボスの坊ちゃんか?」
    「ああ。ドモンちゅうんじゃ。宜しくのぉ」

    ボスのボス、つまりは商会会長の息子であったドモンがアメシガを流通させている元だと理解した。
    自分より一回り下の子供が禁薬を流通させているという事実にボスはほくそ笑んだ。

    「どうやらうちの会長は頭がキレる奴らしい。まぁ、今更だが」
    「…親父の話はえぇ。アメシガの話をしようやないか」

    ドモンはチラリとアメシガらしきものをチラつかせ笑う。
    形状は煙草と一緒だった。違うのはその甘すぎる匂いだけだった。

    「早速じゃが、アメシガの取引と行こうじゃないか。金は持ってきたんか?」
    「ああ、こっちは準備万タンだ。そちらの─プレゼント─もあるんだよな?」
    「勿論じゃ。アメシガと、おまけに特別な単車も用意しとる」

    事前に済ませていた条件の確認をした二人は形式上の書面にサインを書いて笑い合う。

    「これで……契約成立じゃ」

    ドモンはせっかく書いた書面をビリビリに破いて天高く投げ上げた。
    はらりはらりと一枚一枚落ちてくる紙切れにボスは目をやる。

    「これで、契約終了と同時に隠蔽工作も完了じゃ。ええな?」
    「……ふっ、親父も親父なら息子も息子だな」
    「よう言われるわ」

    そうして二人は再び笑い合い、さらに奥の部屋へと消えていった。
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    yaginoura0811

    DONE再び声が出なくなるアオイドス。その原因は?

    ラカアオシリアス。モブ女の子騎空士登場。名前はない。
    突然、アオイドスの声が出なくなってしまった。
    前触れもなく、本当に当然に。

    歌うことは出来る。何故かステージの上ではいつもの伸びやかな歌声が出た。
    ただ、日常会話をする中での発声は全く出来なくなってしまったのだ。
    人間が自分の意思を伝える上で欠かせない声。

    まるで、ノイズの中で過ごしていた子供の頃に戻ったようだとマネージャーはなんともやるせない顔で言った。
    なんとかこの状況を打開する策はあるのだろうか。

    精神に関わることだとしたら何が原因なのだろう。
    アオイドスはどうするつもりなのだろう。



    「アオイドスさん、お昼にしませんか?」

    ルリアがアオイドスを呼びに部屋まで来ると、その声に手を上げて応えた。
    とことこと走ってきたルリアはアオイドスの手のひらに指で文字を書いて内容を伝えた。
    今日のお昼はオムライスだと。
    アオイドスは笑って分かったと口を動かして答える。
    ルリアがそれを確認して部屋を出て行く。

    普段の日常会話はこうしてやりとりしている。スケッチブックに文字を書いたり短い単語は口を動かして伝えたり。
    なんとかそうやって生活は出来ているものの、アオイドスは人知れず頭を抱え 4545