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    結月(ゆづき)

    @22Yuzuki22

    主に小説しか書きません。(絵は見せられるものは書けません)のんびりまったり上げたりしてます。

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    結月(ゆづき)

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    ワンドロの#キラ受け版深夜の真剣創作60分一本勝負に参加させて頂きました
    絆創膏とあってこれが真っ先に浮かびました。

    #シンキラ
    cincilla
    #ガンダムSEED
    gundamSeed
    #ガンダムSEEDDESTINY
    gundamSeeddestiny
    #小説
    novel
    #キラ・ヤマト
    kiraYamato
    #シン・アスカ
    shinAsuka

    絆創膏絆創膏(シンキラ)


    カタカタと早いタッチでキーボードを叩く音と、ぱらりと書類を捲る音が執務室に響き渡る。
    今日は真面目に仕事をしているキラに、シンは聞こえないように息を吐く。

    いつもこうならこんなに仕事残る事ないのに。

    出来るのにやろうとしないのはキラの悪い所だ。
    アスランもシンに何度も言ってきたが、初めはどうせこの人の妬みかなんかだろうと思っていたが、真面目にきっちり仕事をこなしていたのは初めだけで、すっかりこの環境に慣れてから力を抜くことを覚えてしまったのか、ギリギリまでやらない事が増えてきた。
    1度集中するときっかりこなすだけに勿体ない。
    何度もジュール隊長に怒られているキラを見て何度助けたか。
    まぁでも今日は久しぶりに定時で上がれそうだ。
    そんな事を考えていると、「痛っ」と小さい声が聞こえた。
    「どうしたんです!?」
    慌ててキラの机の前に行くと、キラの右手の人差し指の先が薄ら切れていた。
    「あー、ごめんね。書類の紙で指を切っちゃったみたい」
    あははと困った顔で笑うキラの手を取り、切った人差し指を自分の口にぱくりと含む。
    「ちょっ!シン??」
    切れた箇所を舐めると、ピリッと痛んだのかキラの目が僅かに歪んだ。
    シンははっと我に返り慌てて口を離す。
    「あ、す、すみません!ついクセで⋯!消毒しないとって思っちゃって!」
    「あぁ、なるほどね。消毒かー。怪我すると無意識に舐めちゃうもんね」
    でもいきなり指を食べられたからビックリしたよ。キラは笑っていた。

    シンも自分の行動に驚いていた。
    昔自分が幼い時に同じように母がやってくれた記憶があり、本当に無意識にやっていた。
    「とりあえず、絆創膏を⋯」
    自分の隊服に絆創膏なんて入れてたか分からないが、とにかくポケットを漁ると1枚の絆創膏を見つけれた。
    可愛い猫のイラストが描かれたそれは、少し前にルナマリアがくれたものだ。
    これをキラの指には巻くのかと一瞬躊躇われたが、手持ちはこれしないので諦めた。
    キラもじっとシンの手で巻かれていく絆創膏を眺めている。
    「とりあえずこれで」
    「ありがとう、シン。それにしても可愛い絆創膏だね。僕が付けるとおかしくないかな?」
    こてんと首を傾げるキラに、シンは首を横に振る。
    「おかしいわけないでしょ!むしろ可愛い⋯!」
    おもわず漏れた本音に、慌てて口を手で隠す。
    「⋯そっか。ありがとう、シン」
    ふわりとキラが微笑んたと思ったらちゅっとシンの頬にキスを落としてきた。
    「ーーっ!?」
    「消毒と絆創膏のお礼だよ」
    そう言ってキラはまた仕事に戻った。
    僅かにキラの頬も赤く染まり、耳元は分かるほど赤くなっている。

    あぁ、もう!なんでこの人はこんなに可愛いんだよ!

    上官のあまりの可愛さに悶絶するしか無かった。
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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。七夕を楽しむ二人と、夏の風物詩たちを詰め込んだお話です。神頼みができない人にも人事を超えた願いがあるのは良いですね。
    >前作:昔の話
    https://poipiku.com/271957/11735878.html
    まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    星渡 折からの長雨は梅雨を経て、尚も止まぬようであった。蒸し暑さが冷えて一安心、と思ったが、いよいよ寒いと慌てて質屋に冬布団を取り戻そうと人が押しかけたほどである。さては今年は凶作になりはすまいか、と一部が心配したのも無理からぬことだろう。てるてる坊主をいくつも吊るして、さながら大獄後のようだと背筋が凍るような狂歌が高札に掲げられたのは人心の荒廃を憂えずにはいられない。
     しかし夏至を越え、流石に日が伸びた後はいくらか空も笑顔を見せるようになった。夜が必ず明けるように、悩み苦しみというのはいつしか晴れるものだ。人の心はうつろいやすく、お役御免となったてるてる坊主を片付け、軒先に笹飾りを並べるなどする。揺らめく色とりどりの短冊に目を引かれ、福沢諭吉はついこの前までは同じ場所に菖蒲を飾っていたことを思い出した。つくづく時間が経つ早さは増水時の川の流れとは比べるまでもなく早い。寧ろ、歳を重ねるごとに勢いを増しているかのように感じられる。
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