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    huhaitya

    @huhaitya

    水父小説またはセリフネタを
    やりたい放題投稿してます
    キャラ崩壊多数
    基本ネタ呟きなどですが
    よろしくお願いします!

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    huhaitya

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    水父または水父子
    短すぎるくらい短いお話を寄せ集めました
    支部にも上げてるもの含まれてます
    タイトルはやっつけ適当です

    ※軽い死ネタ有り
    ※仄暗いのあり

    #水父

    水父短編集【あついあつい】

    真夏の蝉すら鳴かぬ程の高温の中でお主は暑い暑いと言う。
    どちらの汗か体液か
    しっとりした布団に動かぬまま、ただただお主は暑い暑いを繰り返す。
    「暑いな…」
    「では離れるか…?」
    「離れたら寒いだろ」
    暑いと行ったり寒いと行ったり矛盾している男。
    今もまだ繋がったまま湿った肌を合わせたままひたすらに暑いと言う。
    「暑いな…」
    お主以上にワシは熱さで溶けてしまう。


    【串刺しを望む】

    「ワシは串刺しにされたい」
    お前が突然言い出すから俺はなんとも言えない顔をするしかない。
    人には色んな癖があると言うがそれは人であれば無理難題だろうなと思う。
    コイツが人外だとしても「そうか」とやってやるわけにはいない。
    それなのにお前はケケケと嬉しそうに繰り返す。
    「のう、水木。ワシは串刺しにされたい」
    艶やかな唇で耳元に囁かれやっと理解した俺は「そうか」と言ってコイツの癖を満たしてやる事にした。


    【優しい音に】

    あの目玉が本体になった。
    白い髪で背の高い青い着流しの男。
    その男は当たり前の様に俺の隣を歩く。
    カランコロン、耳に良い下駄の音を響かせて。
    とても優しい。
    それなのに心の奥で何かが揺らぐ。
    何かを思い出しそうなのに胸が詰まる。
    気がついたら頬が濡れる。
    「なんだか懐かしい…優しい音なんだ…なのに涙が止まらない…」
    「……そうか」
    カランコロン、とまた隣で記憶に無い筈の懐かしさが響く。
    何故俺は泣いている。
    何故お前は泣きそうな顔をする。

    【未来よ】

    あの墓場で飲んだ酒の味が忘れられぬ。
    今まで幾度も天狗の酒を飲んだがあそこまで酔ってしまったのことは無かった。
    1人の時も妻がいた時も妻を探す時も、そこまで酔いはせんかった。
    お主と2人で騒いだあの酒の味が忘れられぬ。
    のう、水木。
    お主との未来この目で見とうなったよ。

    【過去よ】

    あの酒場で飲んだ酒の味が忘れられない。
    色んな接待で飲まされた高い酒でもあそこまで満足感と幸福感を味わった事が無かった。
    1人で飲んでも仕事絡みで飲んでも、そこまで満たされはしなかった。
    お前と2人で騒いだあの酒の味が忘れられない。
    お前とのあの熱が忘れられない。
    あんなにも幸せを貰った事は無かった。
    でもな、
    どうしてそんなお前の名が思い出せないんだろう。

    【首を縦に振ってくれ】

    『何時までも幸せに暮らしましたとさ』
    なんて御伽噺でしかない話だと思っていた
    そんな人生歩めたらそりゃいいだろうな
    俺には無縁な言葉だ
    だがそれを心から望む日が来るとはなぁ

    なぁゲゲ郎
    俺は柄にもなく御伽噺みたいな人生の締めくくりを迎えたい
    「俺と何時までも幸せに暮らしてくれ」

    【した】

    「焼肉といったらタンだろ。飯にも酒にも合う」
    「たん」
    「牛とかの舌だな」
    「……人間はやはりおかしいなぁ」
    「幽霊族様は食さねぇか」

    でもお前のタンは長くて美味そうだとお主の分厚いタンで絡められれば本当に食われてしまわれそうだ

    【お主はいつまで?】

    妻と人の世で生きてはいたが考えもしなかった事だった。
    『物には賞味期限ってのがあるんだ』
    普段その時その時の食料を取って食っていたのでワシにはわからん。
    人間はすぐ腹が壊れるそうな。
    か弱いのぅ。
    ふと、水木に聞いてみた。
    『お主の賞味期限はいつじゃ?』
    奴はそのまま黙りこくり、何も答えてはくれんかった。
    人間は、か弱いのぅ。

    【水父と倅】
    水父子

    「のう、水木」
    「なぁ、ゲゲ郎」
    何だか二人がますます夫婦みたいで
    何だかそれが少し羨ましくて
    何だか少しだけ、ほんの少しだけ寂しくて
    「ほら鬼太郎」
    「鬼太郎や」
    でも二人は変わらず僕を愛おしく呼ぶのだから
    「はい、父さん達」
    僕の少しの寂しさは直ぐ消えていく

    【朝チュン】

    昔から徹夜で朝日や小鳥の鳴き声なんて聴いたらイラつきと不快感でいっぱいだったな。
    それでがどうだ。
    今はなんて晴れやか爽快感。

    隣で寝てる昨日散々『愛した』ヤツの寝顔を眺める。
    情が残りコチラと違ってアチラはくったりと気だるげに眠る。
    なんと絶景かな。

    これが『朝チュン』かぁ。

    【桜とシタイ】

    桜が舞い散る真下で死体みたいに綺麗に眠るお前がちゃんと呼吸しているのか確認する。
    着物の襟の少しはだけた鎖骨が晒され桜が落ちる。
    肌に落ちているのに薄い桃色の桜の方が色がある。
    擽ったいだろうと手を伸ばし桜を拾い上げろうとすると大きく、赤い小さい瞳と目があって心臓が跳ねた。
    「こんな所で、助平な男じゃ」
    全くそんなつもりなんか無かったのに、そう言われてしまったらソッチにシフトチェンジしてしまう。
    俺も大概チョロい男な様だ。
    とりあえず楽しそに弧を描く死人みたいに冷たい唇を塞いどこう。

    【通りゃんせ】

    通りゃんせ、通りゃんせ
    行きは良い良い帰りは怖い

    あぁ、水木
    そのちゃんちゃんこを着て怖い道のりをしっかり帰るのじゃぞ

    通りゃんせ、通りゃんせ
    お主の元の世へお帰りなさい

    童歌歌とは真逆な結末
    全て忘れて元通り

    通りゃんせ、通りゃんせ

    【運命】

    ふと思う。
    コイツは全然年上らしくないなと。
    言動が子供と言うより全体的に緩い故に同い年か年下の様な。
    言葉遣いはジジイなのに。
    まぁコイツが年下だろうが動物だろうが植物だろうがきっと俺は愛しただろうな。

    コイツは俺の『運命』だから。
    俺が何度産まれ変わってもきっと何度もお前を愛すよ。

    【ながれる】
    ※軽い死ネタ

    流れてく流れてく
    沢山の灯篭の一つとしてその他大勢と共に流れてく
    鎮魂の灯篭をただただ眺め見つめるばかり
    その中にお主は居るのだろうか
    月夜が映る川に浮かべた橙の灯篭はもうどれがお主かわからない
    流れてく流れてく
    ワシの想いも一緒に持って行って欲しかった

    【リップサービス】

    『リップサービス』と言うものがある。
    物事を円滑に動かす為に他者を大袈裟に褒めちぎり、口先だけのお世辞の事だ。
    社会で生きてく為に俺はこれでのし上がって来たと言ってもいい。
    俺の得意分野の一つだ。
    「のう、水木…もっと口吸いがしたい」
    まぁ家に帰れば別の意味での『リップサービス』も大活躍なんだよな。
    得意分野で良かった良かった。

    【お前はいつまでも春だな】

    幾ら足掻いたって春はやってくる。
    気温は暖かくなり動物は冬眠から目覚め草木は茂り桜が咲く。
    「お主の春(恋の季節)はいつ来るんじゃ?」
    「俺は何時までも夏なんだよ」
    俺の中の季節はずっとあの村の夏から動かない。

    【名】

    「ゲゲ郎」
    名前を呼ぶとお前はクフクフ笑う。
    ただ呼んでるだけなのに満足そうに。
    何が楽しいのか嬉しいのか。
    「お主から貰ったモノだ。ワシは楽しい嬉しい」
    そうゆうものか。
    「水木」
    あぁ、確かに良いモノだな。

    【朝1人になってた男】

    お前が居ない朝はとても寒くて寂しくて隣がぽっかり空いてる。
    起きて居ないお前を探して黄昏て。
    なんでこうなっちまっだろうなと、一人ごちる。
    煙草を吸う気も起きず起き上がったままの健気な身体のまま頭を抱えるしかない。
    残された達筆な字体の一枚の知らせ。
    『実家に帰らせてもらいます』
    実家ってどこだ?
    やっぱり寸止め中イキ連続絶頂からの抜かずの五連戦は流石にいかんかったかなぁ。

    【梅雨】

    梅雨が来る。
    湿ってジメジメした雨が来る。
    どうして日本は梅雨なんてあるんだか。
    嫌気か差して仕方ない。
    俺を他所にアイツはいつも通り楽しそうだ。
    「見よ水木。よい梅が沢山取れたぞ。これでまた美味い梅酒が出来る」
    アイツの作る梅酒は確かに美味い。
    そういえばゲゲ郎とも鬼太郎とも出会いは雨だったと思い出す。
    それだけでなんだか梅雨も悪くない気がしてきた。

    【桜よ】

    未だに桜を見ると尻込みする俺の手を片腕に引き、もう片腕に幼い鬼太郎を抱き満開の桜の元へ連れていくお前。
    その桜は血の色ではなく、薄い桃色で風に煽られて花びらが舞う綺麗な光景で。
    それでもその下のお前は儚くて眩しくて。
    枝の間から漏れ出る陽の光に目を細め、楽しそうに鬼太郎と桜を愛でるお前を見つめる。
    一枚の桜の花びらがお前の鼻に止まり小さくクシャミしてまたその花びらは飛んでいく。

    あぁ、この自覚したくなかった想いも一緒に吹き飛ばしてくれ。

    【セイ】

    生産性のない行動と芽吹きもしない種まきを繰り返し、お前と一体化するのではないかと思うくらい密着をして。
    然程思ってもいないくせに「重い」と呻くお前にまた体重をかける。
    再び同じ行動の繰り返し、繰り返し、種をまき、その種を殺しているのに。
    その度に「生きている」を実感出来て。


    俺らは最低だな。


    【どんな姿でも見つける】

    俺達は何度も繰り返し転生をしてその度に出会って愛してまた転生をする。
    それはいいんだが何故か転生する度にお互いの年が大幅に離れていたり。
    人ではなかったり。

    ある時は片方が大人で片方が子供で。
    ある時は片方が人間で片方が動物で。
    ある時は片方が人間で片方が妖怪で。

    さて、次のお前は一体何だろうなと少し楽しくなってきた。

    【水父的朝ルール】

    家では先に「おはよう」と言った方が朝食を作る暗黙のルールがある。
    つまり先に起きた方。
    結構な確率でゲゲ郎が先に起きてせかせか朝食を作ってるがここ数日は逆だ。
    俺が連休なのだ。
    つまり、そう言うことだ。
    あいつが先に起き上がることは無い。

    (流石に連日過ぎて不機嫌になってるが知らんな)

    【願い(呪い)】

    「倅が大きくなるまで…それまででいいからここにいさせてくれ」と言うお前。
    そんなお前の大切な倅に俺は最低な願い(呪い)をかけ続ける。

    『どうかいつまでも大きくならないでくれ』

    お前を繋ぎ止める為に毎日この呪いをかける。
    ごめんな、鬼太郎。

    【俺とお前の差が大きい】

    油断した。
    本当に少しの油断。
    不用意に手を付いただけで指の骨にヒビが入るとは。
    カルシウムが足りないんだな。
    腕が折れてた訳じゃないからまだ救いか?
    不便だが何とかなるだろうと嘆く俺。
    「しかしすぐ治るじゃろ?後何時間で治る?」
    気楽に笑うお前はやはり俺達とは違うんだな。

    【日焼けなんてもんじゃない】

    じりじりと暑すぎるてどこに行っても陽射しからは逃げられない。
    隣の着流しの男は何とも涼しげで羨ましい限りだ。
    「お前はいいな、日にも焼けないで」
    「何を言う!ほれ見よ!こんなに焼けておる!今年はホンニ暑いんじゃぞ!」
    自ら着流しの首元を開け放ち、変わってるのか変わってないのか分からない肌を晒す。
    肌なんてもんじゃない。
    一緒に晒されるピンクのサクランボが如く蕾までお目見えして、俺はいよいよ湯だってしまった。
    「水木ー!?鼻血がー!!ねっちゅーしょーかー!?」
    おめぇのせぇだ。

    【直ぐに調子に乗るヤツじゃ】
    水父子

    ホットケーキをポンと飛ばせば隣で小さい拍手が起こる。
    再びポンと飛ばせば声を上げての拍手喝采。
    ポンポン飛ばして鳴り止まない大喝采。
    「流石に作りすぎじゃー」
    目玉のに止められて皿を見れば高層ビルの如くなホットケーキタワーになっていた。
    家の息子はホットケーキを作らさせる大天才だから仕方ない。

    【ほっほっほーたるこい】

    街灯のない川辺。
    都会から離れてしまえば綺麗な水が流れる。
    その川辺には夏の風物詩な蛍も舞う。
    明かりのない川辺に明かり代わりの無数の蛍。
    その蛍達はゲゲ郎の傍で飛ぶ。
    あの村でもそうだったがそうゆうのに好かれるのか、蛍に囲まれ照らされるゲゲ郎は当たり前にしている。
    愛おしそうに蛍に目をやり、蛍達もゲゲ郎に寄り添う。

    その姿を見るとゲゲ郎ではなくて、蛍達が羨ましく見えてまう。
    俺もアイツの傍でただ飛んでいれるのならば…

    【五月晴】

    俺達は出会うべくして出会ったんだな、と思っている。
    お前が言う俺の『運命』はやっぱりお前なんだろうな。
    あの墓場で熱心に俺に教えてくれたあの言葉はちゃんと覚えてるんだぜ?
    こんな俺のこの先の『運命』だって受け入れてくれるなら嬉しい。
    俺はお前と、お前達とこれからの『運命』を共にできる事をとても嬉しく思っているのだから。

    だからその涙雨を止ませて五月晴れを見せて欲しい。

    【終戦の日】
    ※軽い死ネタ

    お主はワシの舞を痛く気に入っておったな。
    こんな大男が舞う姿なのど何が良いやらとんとわからん。

    しかしこの時期だけはお主が好むこの舞で、お主が好いたこの音を。
    奏や踊れ、この日だけは特別じゃ。
    お主が生きて、またこの地に舞い戻って来たきた日でもある。

    奏や踊れ、またここへ。
    ワシの元へはいつ戻る。

    【朝食と石鹸の香り】

    朝起きて朝食作るゲゲ郎かふんわり石鹸の匂い。
    洗い物の石鹸…ではない。
    あぁそうだはそうだ。
    昨夜は『お楽しみ』でしたね。

    朝から汗を流したと思われる石鹸の香り。
    それを思うと朝から高揚してくる。
    ゲゲ郎の後ろに立って首筋に顔を寄せて。
    明日も明後日も、この香りを朝に嗅ぎたい。
    その為には今夜も『頑張らねばいかん』
    男は忙しいぜ。

    この数秒後、制裁が待っている事も知らずに俺は愛し人の香りを堪能したのである。

    【はかなき】

    人の夢と書いて『儚い』と言う。
    人の短い命の中で夢見る事は『儚い』と言う。
    それがまた切なくて、愛おしくて。
    水木、お主も寂しい儚い夢を見るのか?

    『俺の夢?そうさな…お前らと何時までも一緒の朝を迎えられる事かな』

    あぁ…やはり…人の夢は『儚い』のじゃな…


    (叶えてやれぬワシを許してくれ)


    【欲】

    ワシは己が怖い
    妻を愛してやまないこの想いを裏切っている様で
    なんて酷い夫だろうか
    しかし、それ程に水木が欲しい


    俺は己が怖い
    俺に人を愛す資格なんてないのに
    亡くした嫁さんをアイツが忘れられないと分かっているのに
    だけど、それでもゲゲ郎が欲しい
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