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    setsuen98

    @setsuen98

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    setsuen98

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    🔗🔮♀。付き合ってません。
    遊び人な🔗×遊びつかれた🔮♀
    続きは気が向いたら書くかもしれない。

    ⚠🔗がモブ女と絡んでます。

    #violisko

     行きつけのバーに行けばほぼ必ずと言っていい程に会うサニー・ブリスコーという男は、一言で表すなら「顔だけは最高」に尽きる。ぶっちゃけ昔の私だったら是が非でも自分の男にしていたと思うけど、若い頃散々遊び回って色んなトラブルに巻き込まれた結果、ある日突然何もかもに疲れてしまった今の私は全力で避けたい人物だった。
     彼の周りにはいつも女の子が居て、それが知り合いだろうとナンパだろうと拒むこと無くまとわりつかせたままマスター自慢の料理を無心で食べている。初めてその光景を見た時は異性に興味が無いのだろうかと少し離れたカウンター席から横目に眺めていたが、食事を終えた途端隣にいた女の子の腰を抱いてキスをし始めた時は思わず「は?」と声が出てしまった。その声は幸いにしてズルいズルいと騒ぐ子達の声で向こうに届くことなくかき消されたようで、タイプも様々な女の子達に競うようにキスをされるがままに受け入れる彼の姿から視線を外し私は一切関わるまいと決めたのに。…なのに、何度かカウンター席で隣合いマスターを交え話すうち意気投合し、軽口を叩き合う程の仲になるとは思わなかった。なるつもりなんて、無かった。

     「ねぇ、浮奇。今日の顔面いつもより気合い入ってない?しかもそれランジェリーショップの袋でしょ。…俺に会うため?ホテル行く?」
    ヘアサロンに行き、目当てだった新作のコスメとランジェリーを購入し、充実したと言える休日の終わり。最後はマスターの料理と美味しいお酒で気分良く締めようと訪れたにも関わらず、真っ先に視界に入る隣の席の女の子を腕にまとわりつかせたサニーの相変わらずな姿に思わず眉根が寄って気分が下がってしまう。あれでいて昼間は品行方正な警察官だというのだから、この世の正義なんて信頼できたものじゃない。
    一瞬店を変えるか検討するもここまで足を運んだのに私がわざわざ店を変えるのもどこか悔しくて、何食わぬ顔でいつもの席に座れば直ぐに気付いたサニーがわざわざ間の空席を詰めて来ていきなり放った言葉に思いっきり顔を歪め、睨み付けるように其方を見て此方に傾いた身体を思いっきり押し返す。
    「馬鹿言わないで、酔ってるの?ていうか女の子と飲んでるなら絡んで来ないでよ」
    「俺が酒飲まないのしってるじゃん。向こうが勝手に隣で喋ってただけだし、連れじゃないから良くない?…なに、もしかして嫉妬してんの?」
    「嫉妬とかありえないから。なんで私が?」
    「でも浮奇俺の事好きじゃん」
    「顔は好きだけど、サニーに惚れるとかはマジでない。こんなクズ男相手にしたら私の人生終わる」
    押し返した身体の向こうから睨み付けている女の子の視線が痛い。私は何も悪くないのに…あ、アイメイク崩れてる。バーが薄暗いからって油断しすぎじゃない?こういう場こそ粗が見えやすいし、男を口説くなら顔を近付けること考えて完璧に整えなきゃ…なんて考えに意識を奪われてたら、その視界をサニーの顔が遮り、唇に柔らかいものが触れ直ぐに離れていった。何その不満そうな顔。
    「俺と話してる時になんで他のこと考えてるの?」
    「……信じらんない…何勝手にキスしてるの?お金取るよ?」
    「んはは!お金払ってでも俺とキスしたいって子もいるのに!セックスした事もあるんだし、キスくらいでそんなキャンキャン言わないでよ」
    「酔った勢いで1回寝ただけでしょ。ていうかそういう事を堂々と言うな」
    敵意剥き出しの女の子から視線を外し、何を言っても何処吹く風といった体で全く悪びれた様子も無いサニーの方を見れば薄く形の良い唇に私のリップの色が移っている。一目惚れして購入した新作のカラーは私には誂えたように似合っていたけど、サニーの肌には映えていなくて。少しだけ着いた似合わない色がどこかまぬけに見えて笑ってしまいながら、怪訝そうな視線を向けてくるのを無視して手を伸ばし、人差し指を顎に掛け親指でそっと拭い取りながら指の腹に引っかかる感覚にそこを軽く押して手を引いた。
    「そこ、ちょっと皮剥けてて引っかかる。リップクリーム塗った方がいいよ」
    「……ねぇ、ほんとにホテル行かない?」
    「はぁ?行くわけないじゃん。マスター、」
    急な私からの接触にぽかんとした顔が可愛くて容易く溜飲が下がると、その顔の良さに感謝した方がいいよと告げ汚れた親指をサニーの手の甲で拭いながらオーダーを告げる。くすくすと可笑しそうに笑うマスターから「とうとう付き合い始めたの?」なんて訊かれたけど、こんなに拒否してるのが見えないわけ?

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    Replies from the creator

    setsuen98

    DONE🌊🔮♀。大学生×社会人。
    過去あげた大学生×社会人のシリーズですが、これだけでも読めます。ですが良ければそちらも読んでみてください。
     先週のデートの際スハがそわそわとしながら手渡してくれた箱の中に収まっていたのは、うっかり指を引っ掛けでもしたら千切れてしまいそうなほど華奢なシルバーチョーカー。
    チャームも何も無いシンプルなデザインながら、フリルのような繊細な動きのあるチェーンはそれだけで上品に存在感を放ち、どんな服装にもマッチするセンスの良い品だが、箱を開けて真っ先に浮かんだ言葉は「誰と選んだの?」だった。ファッションやアクセサリーにそれほど興味がないスハが選ぶとしたら、シンプルなものだとしても何かしらの石やモチーフがついた無難とも言えるネックレスを選ぶはず。彼が一人で選ぶには、デザインが洗練されすぎていた。
     流石にスハのセンスじゃないでしょ、なんてそのまま問うなんてことはせず、オブラートに包んで包んで、それはもう遠回しに訊けば大学の友人達と出かけた際ショップについて来てもらいアドバイスをもらったのだと言うが、「その時に教えてもらったんだけど、チョーカーって“傍にいてほしい”って意味があるんだって」と伏し目がちに照れながら口にしたスハに、そのメンバーの中に女がいたことを確信して問おうとした矢先に続けられた「あと、彼氏がいますって印になるって聞いて……着けてくれる…?」と、私よりも背が高いにも関わらず器用に上目遣いで見つめてくる年下彼氏の可愛さにやられて、もういいか、という気になってしまいイチャイチャタイムに突入した、というのがその時のハイライト。
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    setsuen98

    DONE🌊🔮。芸能人×メイクさんパロ。
    まだ付き合ってない二人です。
     大きな鏡に写る自分の顔を見れば、あまりに不格好な表情に苦笑が溢れる。無意識に眉間に力が入り平素に比べ険しい目元に反して、口元はスタンプを押したようにわずかに口角が上がったまま。デビュー当時から、基本的にいつでも笑顔で、と口酸っぱく言われ続けた教えに忠実に従う自分の表情筋が今は恨めしい。
     デビューしてから駆け抜けてきたこの数年、自分なりに努力を積み重ねてきたおかげか、歌だけではなくテレビ出演や演技など、様々な仕事をもらえるようになった。有難いことに熱心に推してくれるファンもつき、かつて夢見た姿に少しずつではあるが近づけている。それなのにどうにも自分は欲深いようで、同じ事務所の後輩たちがデビューするなり順調すぎるほどのスピードでテレビやステージなど華々しい活躍を見せる度、劣等感と羨望が溢れどうしようもない気持ちに苛まれ、手のひらに爪が食い込むほどに握りしめそうになるのを堪えてすごい!と手を打ち鳴らす。そんな自分の姿が滑稽で醜くて、後輩たちに合わせる顔もなくなって、思考が自己嫌悪で埋め尽くされる。そんな気鬱が続く時がたまにあり、今まさにそんな気持ちを抱えながら雑誌撮影のためにメイクルームに入れば鏡に映るのはこの様。思わず項垂れ、少しでも胸中がすっきりしないかと大きく長く息を吐く。
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    setsuen98

    MOURNING🦁👟みたいな何か。付き合ってません。
     ほぼ満席状態の店内。二人掛けのテーブルにルカと向かい合って座ってから、なんとも言えない無言の時間が過ぎていく。と言っても実際には大した時間は経っていないけど、黙り込んだまま相手が口火を切るのをただ待つ時間は何倍にも長く感じられる。だからと言って、いつもの快活とした姿とは異なり神妙な顔でテーブルを見つめるルカに「話って何?」なんて無遠慮に本題へ切り込むことなんて出来なくて、手持ち無沙汰にカップに口をつけブラックコーヒーをちびちびと啜るしか出来ず、日差しが降り注ぐ外をいい天気だなぁ…なんて現実逃避まがいに眺めていた。
     「シュウに相談したいことがある」と改まって連絡がきた時は、一体何事かと身構えてしまった。まさかルカの身に何か深刻な問題でも起きているのかと心配になり即座に了承の返信を打てば、カフェでお茶でもしながら聞いて欲しいとの思いのほかゆったりとした回答に、勝手な杞憂だったのかと胸を撫で下ろしたのが数日前のこと。ただ実際に顔を合わせてみるとこんな風に一切読めない様子で、大きな問題でないことを願う最中、突然ルカが顔を上げ僕の方を見つめたかと思えば、また直ぐに視線を落とし何度か口をモゴモゴとさせてようやく口を開いた。
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