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    setsuen98

    @setsuen98

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    setsuen98

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    🦁👟みたいな何か。付き合ってません。

    #mafiyami

     ほぼ満席状態の店内。二人掛けのテーブルにルカと向かい合って座ってから、なんとも言えない無言の時間が過ぎていく。と言っても実際には大した時間は経っていないけど、黙り込んだまま相手が口火を切るのをただ待つ時間は何倍にも長く感じられる。だからと言って、いつもの快活とした姿とは異なり神妙な顔でテーブルを見つめるルカに「話って何?」なんて無遠慮に本題へ切り込むことなんて出来なくて、手持ち無沙汰にカップに口をつけブラックコーヒーをちびちびと啜るしか出来ず、日差しが降り注ぐ外をいい天気だなぁ…なんて現実逃避まがいに眺めていた。
     「シュウに相談したいことがある」と改まって連絡がきた時は、一体何事かと身構えてしまった。まさかルカの身に何か深刻な問題でも起きているのかと心配になり即座に了承の返信を打てば、カフェでお茶でもしながら聞いて欲しいとの思いのほかゆったりとした回答に、勝手な杞憂だったのかと胸を撫で下ろしたのが数日前のこと。ただ実際に顔を合わせてみるとこんな風に一切読めない様子で、大きな問題でないことを願う最中、突然ルカが顔を上げ僕の方を見つめたかと思えば、また直ぐに視線を落とし何度か口をモゴモゴとさせてようやく口を開いた。
    「…いくら考えても、どう言えばいいのかとか…その、正解が全然出ないんだ」
    「…うん?」
     主語のない言葉にルカの悩みの本質が見抜けず、思わず首を傾げてしまう。相変わらずテーブルに注がれる視線から読み取るなんてことが出来るはずもなく、続きを促せばぽつぽつと語るルカの言葉を一言一句聴き逃すまいと、カップをテーブルに置いて相槌を打つ。
    「本当はちゃんと自分の言葉で言わなきゃって思ったんだけど、俺、今まで誰かにそんなこと言ったことないから…これでいいのかなってどんどんわからなくなっちゃって…」
    「うん」
    「変な感じになったりするのは嫌だし、失敗はしたくないんだ。でも、これであってる?なんて誰に聞いていいのかわからないし…ってぐるぐるしちゃってたんだけど、シュウなら正解を教えてくれるかなって」
    「僕が正しい答えを持っているかは分からないけど、一緒に考えることは出来るんじゃないかな…で、ルカは誰になにを言いたいの?」
    「…シュウとデートに行きたいんだけど、なんて誘えばいい?」
    「……んん?」
    「だから、シュウを、デートに、誘いたいんだってば!」
    「……おー…けい?とりあえず、声抑えよっか?」
     ルカの言葉に理解が追いつかず、思わずぽかんと口が開きっぱなしになってしまう。なにも分からないけど、とりあえず頷いておく。…どういうこと?
    「…デートって、お出かけ、ってこと?」
    「…?デートはデートだよ。なに言ってるの?」
    「いや、僕のセリフ…うん、ごめん。整理しよっか」
     怪訝そうに僅かに左目を眇めてこちらを見つめるルカに思わず額を押さえてしまうのも仕方がないと思う。ルカの突拍子もない発言には慣れてきたつもりだったけど、まだまだだったと一人反省しながら先ず何から話せばいいのかと頭の中を整理していく。
    「えーっと……先ず、これは相談?なんだよね…?お誘いじゃなくて」
    「うん。なんて誘えばいいのかって訊いたでしょ」
    「んん…あの、僕を誘おうとしてくれてるなら、もう聞いちゃったし答えてもいいんじゃ…」
    「違うよ、シュウ。俺はね、なんて誘えばシュウが頷いてくれるのか、その答えを訊いてるの」
     先ほどまで焦げてしまうんじゃないかというほどに熱視線を送っていたテーブルに長い腕を乗せ、間合いを詰めるように身を乗り出すルカの顔は真剣そのものなのに、どこか悪戯めいた笑みが薄らと浮かんでいるように見えるのは僕の気の所為かな。

     断る気なんて無かったけど、色んな意味でどきどきさせられて悔しいから、ちょっと意地悪をするくらい許されるよね?
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    setsuen98

    DONE🌊🔮♀。大学生×社会人。
    過去あげた大学生×社会人のシリーズですが、これだけでも読めます。ですが良ければそちらも読んでみてください。
     先週のデートの際スハがそわそわとしながら手渡してくれた箱の中に収まっていたのは、うっかり指を引っ掛けでもしたら千切れてしまいそうなほど華奢なシルバーチョーカー。
    チャームも何も無いシンプルなデザインながら、フリルのような繊細な動きのあるチェーンはそれだけで上品に存在感を放ち、どんな服装にもマッチするセンスの良い品だが、箱を開けて真っ先に浮かんだ言葉は「誰と選んだの?」だった。ファッションやアクセサリーにそれほど興味がないスハが選ぶとしたら、シンプルなものだとしても何かしらの石やモチーフがついた無難とも言えるネックレスを選ぶはず。彼が一人で選ぶには、デザインが洗練されすぎていた。
     流石にスハのセンスじゃないでしょ、なんてそのまま問うなんてことはせず、オブラートに包んで包んで、それはもう遠回しに訊けば大学の友人達と出かけた際ショップについて来てもらいアドバイスをもらったのだと言うが、「その時に教えてもらったんだけど、チョーカーって“傍にいてほしい”って意味があるんだって」と伏し目がちに照れながら口にしたスハに、そのメンバーの中に女がいたことを確信して問おうとした矢先に続けられた「あと、彼氏がいますって印になるって聞いて……着けてくれる…?」と、私よりも背が高いにも関わらず器用に上目遣いで見つめてくる年下彼氏の可愛さにやられて、もういいか、という気になってしまいイチャイチャタイムに突入した、というのがその時のハイライト。
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    setsuen98

    DONE🌊🔮。芸能人×メイクさんパロ。
    まだ付き合ってない二人です。
     大きな鏡に写る自分の顔を見れば、あまりに不格好な表情に苦笑が溢れる。無意識に眉間に力が入り平素に比べ険しい目元に反して、口元はスタンプを押したようにわずかに口角が上がったまま。デビュー当時から、基本的にいつでも笑顔で、と口酸っぱく言われ続けた教えに忠実に従う自分の表情筋が今は恨めしい。
     デビューしてから駆け抜けてきたこの数年、自分なりに努力を積み重ねてきたおかげか、歌だけではなくテレビ出演や演技など、様々な仕事をもらえるようになった。有難いことに熱心に推してくれるファンもつき、かつて夢見た姿に少しずつではあるが近づけている。それなのにどうにも自分は欲深いようで、同じ事務所の後輩たちがデビューするなり順調すぎるほどのスピードでテレビやステージなど華々しい活躍を見せる度、劣等感と羨望が溢れどうしようもない気持ちに苛まれ、手のひらに爪が食い込むほどに握りしめそうになるのを堪えてすごい!と手を打ち鳴らす。そんな自分の姿が滑稽で醜くて、後輩たちに合わせる顔もなくなって、思考が自己嫌悪で埋め尽くされる。そんな気鬱が続く時がたまにあり、今まさにそんな気持ちを抱えながら雑誌撮影のためにメイクルームに入れば鏡に映るのはこの様。思わず項垂れ、少しでも胸中がすっきりしないかと大きく長く息を吐く。
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    setsuen98

    MOURNING🦁👟みたいな何か。付き合ってません。
     ほぼ満席状態の店内。二人掛けのテーブルにルカと向かい合って座ってから、なんとも言えない無言の時間が過ぎていく。と言っても実際には大した時間は経っていないけど、黙り込んだまま相手が口火を切るのをただ待つ時間は何倍にも長く感じられる。だからと言って、いつもの快活とした姿とは異なり神妙な顔でテーブルを見つめるルカに「話って何?」なんて無遠慮に本題へ切り込むことなんて出来なくて、手持ち無沙汰にカップに口をつけブラックコーヒーをちびちびと啜るしか出来ず、日差しが降り注ぐ外をいい天気だなぁ…なんて現実逃避まがいに眺めていた。
     「シュウに相談したいことがある」と改まって連絡がきた時は、一体何事かと身構えてしまった。まさかルカの身に何か深刻な問題でも起きているのかと心配になり即座に了承の返信を打てば、カフェでお茶でもしながら聞いて欲しいとの思いのほかゆったりとした回答に、勝手な杞憂だったのかと胸を撫で下ろしたのが数日前のこと。ただ実際に顔を合わせてみるとこんな風に一切読めない様子で、大きな問題でないことを願う最中、突然ルカが顔を上げ僕の方を見つめたかと思えば、また直ぐに視線を落とし何度か口をモゴモゴとさせてようやく口を開いた。
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