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    めいな@mellnomee

    @mellnomee

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    めいな@mellnomee

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    同棲isrn。X年後。両方引退して凛はJFŪの広告塔に使われている。甘々で書きだしたつもりがタイトルからお察しの通りのギャグになりました。
    この世界線と薄っすらつながってる。
    『雨』
    https://poipiku.com/9650379/10245275.html

    #isrn

    飛び出す水着の糸師凛 イライラした気持ちを抱えたまま帰り着くと、エプロン姿の同居人が「おかえり〜」と間延びした声をかけてきた。俺の方をちらりと見て手ぇ洗ってこいよと一言。そのままキッチンの奥へ消えた。
     今日の夕飯は唐揚げらしい。パチパチと油の跳ねる小気味良い音と、醤油とニンニクの混じった香りが漂っている。俺の腹が思い出したようにぐぅ、と鳴った。
    手を洗い食卓につくと、目の前に揚げたての唐揚げが置かれた。そしてサラダに味噌汁、ご飯。
    「おかわりいっばいあるから好きなだけ食えよ」
     これでも大分減ったんだけどな、という潔は口をもぐもぐさせながら山盛りの唐揚げの大皿を目の前に置く。よく見れば顔が少し赤い。キッチンカウンターの上に飲みかけの缶ビールがあり、料理中からお楽しみだった事が見て取れた。気楽な奴は良いよなという八つ当たりを唐揚げと一緒に飲み込んで、慌てていただきますを言った。
    揚げ終わったらしい潔は俺の目の前に座り、今更ないただきますを言うと唐揚げを口に運んだ。何個目なんだろうという素朴な疑問を抱きながらちらりと見ると、向こうもこちらを見ていた。
    「美味しい?」
     コクリと頷き食事に意識を戻すと、良かったぁという呑気な声が聞こえてきた。カリッとした表面に程よく味の染み込んだ肉。本当は美味しいじゃなく『凄く美味しい』だった。けれどそれを口に出すのは悔しく、大皿からおかわりを取ってひたすら食べた。

     食事を済ませた俺は腹が満たされ気持ちも少し落ち着いていた。食器を下げてソファーにどさりと座ると、潔もついてきて横に陣取る。
    「何だよ、後片付けなら後でやる」
    「え、やってくれんの? それはそれで嬉しいけど」
    まぁまぁここに頭置きなよ、と潔は自分の太ももを示す。
    「は?」
     わざと不機嫌な声を出しても潔はニコニコしている。気持ちわりぃ、何企んでんだ。そんな気持ちを顔に出してみても俺の不機嫌に気づいているのかいないのか、アホみたいに笑っている。これ以上の抵抗は無駄だと悟った俺は大人しくソファーに横になって頭を乗せた。潔はこういう時、俺が大人しく頭を乗せるまで何時間でもじっとしていられる馬鹿だ。我慢比べをしてやっても良かったが、負けるとわかっている勝負に挑んでやる義理はない。潔は満足そうに俺の背中に手を回す。
    「で?」
    「あ?」
    「ウチの凛をここまで怒らせた元凶は? ……場合によってはブッ潰す」
     俺の背中をトントンと叩きながらやっぱりニコニコしたまま物騒な事を言う。あぁ、と先程からの違和感にやっと気づいた。表情はニコニコしているのに雰囲気が殺気立っているのだ。自分のイライラに気を取られて気づかなかった。
    潔が、めちゃくちゃ怒っている。
    「……JFUの連中が………」
    「あのハゲ?」
    「お前いつも俺がハゲっつーとハゲ言うなって」
    「ハゲがウチの凛になんて?」
    「……会長が無理難題を……」
    「ほう、どんな?」
    「……俺が絶対嫌だって事を……絶対売れるからやれって……」
     トントンとリズミカルだった手が止まった。恐る恐る上を見上げると、潔の目には暗い光が宿っている。これはあれだ、噂に聞くチームメイトに『ドロ船』とか言っちゃった時と同じやつだ。
    「……凛。権力は倒されるためにあるんだ」
    「何言ってんだ?」
    「大丈夫、俺にだって凛ほどではないけどこれまでの実績でJFUに多少の影響力はあるし」
    「よ、よかったな?」
    「とりあえずハゲに撤回させりゃいいんだろ?」
    「まぁ、やっていただけるんなら……」
    ヤるか、と呟いた潔のセリフが完全に「殺るか」に変換されていたので慌てて『撤回してもらえるなら』と言い直した。潔は何故か笑顔のままで舌打ちをしていたけれど、俺としては身内から犯罪者を出したくない。それにこの二人での生活もそこそこ気に入っているのだ。言ってやらねぇけど。
    「で、何要求されたんだよ」
     俺は目を逸らす。
    「大丈夫、俺は凛の味方だから」
     ぽんぽんと頭を撫でられて気が緩んだ。この時の俺の選択を、俺はこの後一生後悔することになる。
    「……み………で………」
    「へ?」
    「広告用に、水着で撮影したいって」
     本当に銭ゲバ狸が考えることはどうかしている。あまりに衝撃的だったんだろう、潔は黙り込んでしまった。殺気は完全に消えていた。
    「しかも新宿のビルの上にでっかい飛び出す猫ってあるだろ? 3Dかなんかの映像の。あそこに飛び出す糸師凛を流したいって。イカれてるよな」
     潔は震えていた。怒りだろうか。よかった、味方が一人増えた。自分で言っていた通り、そこそこ日本サッカー界に貢献してきた潔世一が反対するのだから流石にあのハゲも考えを改めるだろう。
    「凛……」
     顔をあげた潔は真剣な面持ちでその曇りなき眼を俺に向ける。

    「それは俺も見たい」

     どうかしているのは恋人の方だった。

     数カ月後、新宿に『飛び出す糸師凛』という観光スポットが誕生し、公開当日には『飛び出す水着の糸師凛』というパワーワードがSNSを席巻した。
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    めいな@mellnomee

    TRAINING同棲isrn。X年後。両方引退して凛はJFŪの広告塔に使われている。甘々で書きだしたつもりがタイトルからお察しの通りのギャグになりました。
    この世界線と薄っすらつながってる。
    『雨』
    https://poipiku.com/9650379/10245275.html
    飛び出す水着の糸師凛 イライラした気持ちを抱えたまま帰り着くと、エプロン姿の同居人が「おかえり〜」と間延びした声をかけてきた。俺の方をちらりと見て手ぇ洗ってこいよと一言。そのままキッチンの奥へ消えた。
     今日の夕飯は唐揚げらしい。パチパチと油の跳ねる小気味良い音と、醤油とニンニクの混じった香りが漂っている。俺の腹が思い出したようにぐぅ、と鳴った。
    手を洗い食卓につくと、目の前に揚げたての唐揚げが置かれた。そしてサラダに味噌汁、ご飯。
    「おかわりいっばいあるから好きなだけ食えよ」
     これでも大分減ったんだけどな、という潔は口をもぐもぐさせながら山盛りの唐揚げの大皿を目の前に置く。よく見れば顔が少し赤い。キッチンカウンターの上に飲みかけの缶ビールがあり、料理中からお楽しみだった事が見て取れた。気楽な奴は良いよなという八つ当たりを唐揚げと一緒に飲み込んで、慌てていただきますを言った。
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