【イルアズ】僕と君の間には「えっ、二人って付き合ってるんじゃなかったの?」
切っ掛けは、級友が何気なく放った一言だった。
その日の昼休みもいつものように、昼食を終えた入間軍三人は中庭の片隅に植えられた木の下で、肩を寄せ合ってお喋りに興じていた。
ところが途中、クララがエリザベッタからの呼び出しを受けて駆けて行ってしまったので、残された入間とアズは、しかし先ほどまでの態勢のまま――つまり、肩をぴたりと寄せ合って、入間はアズの二の腕に頭を預けるようにして寄りかかり、アズはその入間の頭に自分の頭を預けるようにして顔を寄せ、ついでに、アズの左手は入間の肩を抱くような格好でその小さな肩の上に添えられている――ちなみにそれは、先ほどまで入間の左側にはクララがいて、入間の膝の上に頭を預けて寝転んだかと思えば、入間の左腕に抱きついたりしたりしていたのをあしらうためにそちらに回して、そのままになっているだけなのだけれど――という格好で――そのまま二人で他愛のないお喋りを続けていた。
4463