16natuki_mirm
DONE距離感バグってる、まだ付き合ってないイルアズのお話。12月の新刊の一部になる予定です。
【イルアズ】僕と君の間には「えっ、二人って付き合ってるんじゃなかったの?」
切っ掛けは、級友が何気なく放った一言だった。
その日の昼休みもいつものように、昼食を終えた入間軍三人は中庭の片隅に植えられた木の下で、肩を寄せ合ってお喋りに興じていた。
ところが途中、クララがエリザベッタからの呼び出しを受けて駆けて行ってしまったので、残された入間とアズは、しかし先ほどまでの態勢のまま――つまり、肩をぴたりと寄せ合って、入間はアズの二の腕に頭を預けるようにして寄りかかり、アズはその入間の頭に自分の頭を預けるようにして顔を寄せ、ついでに、アズの左手は入間の肩を抱くような格好でその小さな肩の上に添えられている――ちなみにそれは、先ほどまで入間の左側にはクララがいて、入間の膝の上に頭を預けて寝転んだかと思えば、入間の左腕に抱きついたりしたりしていたのをあしらうためにそちらに回して、そのままになっているだけなのだけれど――という格好で――そのまま二人で他愛のないお喋りを続けていた。
4463切っ掛けは、級友が何気なく放った一言だった。
その日の昼休みもいつものように、昼食を終えた入間軍三人は中庭の片隅に植えられた木の下で、肩を寄せ合ってお喋りに興じていた。
ところが途中、クララがエリザベッタからの呼び出しを受けて駆けて行ってしまったので、残された入間とアズは、しかし先ほどまでの態勢のまま――つまり、肩をぴたりと寄せ合って、入間はアズの二の腕に頭を預けるようにして寄りかかり、アズはその入間の頭に自分の頭を預けるようにして顔を寄せ、ついでに、アズの左手は入間の肩を抱くような格好でその小さな肩の上に添えられている――ちなみにそれは、先ほどまで入間の左側にはクララがいて、入間の膝の上に頭を預けて寝転んだかと思えば、入間の左腕に抱きついたりしたりしていたのをあしらうためにそちらに回して、そのままになっているだけなのだけれど――という格好で――そのまま二人で他愛のないお喋りを続けていた。
kirche_is_dcst
PASTにぶんのいちフォロワーさんとお話してた、ゲとなんでもはんぶんこしたいくちゃの千ゲ。
付き合ってません。
考えてみたら実質プロポーズだし結婚してた?
「 ……おう、それ半分よこせ」
最近、なんだかそう言われることが増えた。
中身は食べ物だったり、作業だったりいろいろだけれど。
今日は、さっき淹れたラテ。
最近冷えてきたからと用意したものだ。
もしかして、はんぶんこがブームなのだろうか。……ふとそう思ってないない、と首を振る。彼は合理性を重んじる人で、流行やブームに流されると言うことがない。
少なくとも、自分が知る限りでは。
「 ……飲みかけだけどいいの?新しいの淹れるよ?」
「 いちいち新しく作るのも非合理だろうが」
まあ、確かに言う通り、作る手間と片付ける手間は二倍になる。
「 じゃあ、千空ちゃんあと飲んでいいよ」
ちょっとぬるくなっちゃったけど。
「 おう、悪いな」
2044最近、なんだかそう言われることが増えた。
中身は食べ物だったり、作業だったりいろいろだけれど。
今日は、さっき淹れたラテ。
最近冷えてきたからと用意したものだ。
もしかして、はんぶんこがブームなのだろうか。……ふとそう思ってないない、と首を振る。彼は合理性を重んじる人で、流行やブームに流されると言うことがない。
少なくとも、自分が知る限りでは。
「 ……飲みかけだけどいいの?新しいの淹れるよ?」
「 いちいち新しく作るのも非合理だろうが」
まあ、確かに言う通り、作る手間と片付ける手間は二倍になる。
「 じゃあ、千空ちゃんあと飲んでいいよ」
ちょっとぬるくなっちゃったけど。
「 おう、悪いな」
kirche_is_dcst
PASTお互いの虹彩を見比べて見つめ合っちゃう千ゲ付き合ってません
「 虹彩って、一人ひとり色も形も違うんだってね 」
千空ちゃん知ってた?
問いかけると、あ"〜、と即答される。
「 セキュリティなんかにも導入されてんだろ。眼球の虹彩認証 」
「 えっそうなんだ!じゃあ眼球盗まれないようにしなきゃね 」
リアクションに、うわ引くわ〜と返されてメンゴメンゴと笑った。
「 じゃあさ、比べてみよ?最初に鏡で自分の虹彩確認して、そのあと俺と千空ちゃんで見比べるの 」
「 ……あ"〜、確かに他人の虹彩まじまじ見る機会なんざそうそうねぇわな 」
上手く好奇心に火がついたらしく、千空はニヤリと唇を歪める。
まずは鏡を二枚用意して、自分の眼球をよく観察した。
虹彩の色、形、広がり方。
1812千空ちゃん知ってた?
問いかけると、あ"〜、と即答される。
「 セキュリティなんかにも導入されてんだろ。眼球の虹彩認証 」
「 えっそうなんだ!じゃあ眼球盗まれないようにしなきゃね 」
リアクションに、うわ引くわ〜と返されてメンゴメンゴと笑った。
「 じゃあさ、比べてみよ?最初に鏡で自分の虹彩確認して、そのあと俺と千空ちゃんで見比べるの 」
「 ……あ"〜、確かに他人の虹彩まじまじ見る機会なんざそうそうねぇわな 」
上手く好奇心に火がついたらしく、千空はニヤリと唇を歪める。
まずは鏡を二枚用意して、自分の眼球をよく観察した。
虹彩の色、形、広がり方。
kirche_is_dcst
PASTフォロワーさんリクエストの手のかっちりしたゲのお話。微妙にファーストキスネタの続き。付き合ってませんでした。
「 ……ゲンは男としては華奢な方だが、手はカッチリしているのだな 」
ふいに背後から手元を覗き込まれて、仕込袋を取り落としそうになる。
「 うわびっくりした!……藪から棒にどうしたの、コハクちゃん」
「 いや、別段。モヤシだミジンコだと言うので、思ったより手がしっかりしていて驚いただけだ 」
しかし、やはり指は細いし長いな。
などとつぶやきながら、指の形や手のひらの厚さ、皮膚の硬さなどを確認してくる。
若くて可愛い女の子に触られて悪い気はしないが、流石にちょっとどうかと思う。
……なんだか最近、千空ちゃんに似てきたような。
「 うん、手とか指は商売道具だからね。所謂パワー型ではないけど、鍛えてはあるよ 」
俺の手は、岩を割る手じゃなくて人の心の糸を手繰る手だから。
6375ふいに背後から手元を覗き込まれて、仕込袋を取り落としそうになる。
「 うわびっくりした!……藪から棒にどうしたの、コハクちゃん」
「 いや、別段。モヤシだミジンコだと言うので、思ったより手がしっかりしていて驚いただけだ 」
しかし、やはり指は細いし長いな。
などとつぶやきながら、指の形や手のひらの厚さ、皮膚の硬さなどを確認してくる。
若くて可愛い女の子に触られて悪い気はしないが、流石にちょっとどうかと思う。
……なんだか最近、千空ちゃんに似てきたような。
「 うん、手とか指は商売道具だからね。所謂パワー型ではないけど、鍛えてはあるよ 」
俺の手は、岩を割る手じゃなくて人の心の糸を手繰る手だから。
kirche_is_dcst
PAST初期に書いたやつ。イヌホオズキのもうひとつの花言葉の話。ゆずちゃとゲち「 ……ゲン君、よくそのお花使ってるね。お気に入り?」
タネの仕込み中にふいに問いかけられて、振り返る。
「 ああ、杠ちゃん。うん、そうお気に入りなの。イヌホオズキの花だよ」
花の名前を聞いて、杠は得心したような顔で笑った。
「 イヌホオズキ!……ゲン君にぴったりだね!」
……イヌホオズキの花言葉は『嘘つき』。たしかにこれ以上、自分にふさわしい花はないだろう。
しかし、詐術の対象ではない相手にまで無邪気に肯定されると、多少複雑な気持ちにはなる。
「 あはは、でっしょ〜?嘘つきの俺にぴったり」
おくびにも出さず笑い飛ばして見せるが、今度は杠が不思議そうに首を傾げた。
「 うーん?ひょっとしてゲン君が知ってるのと私が知ってる花言葉、違うのかも。
1135タネの仕込み中にふいに問いかけられて、振り返る。
「 ああ、杠ちゃん。うん、そうお気に入りなの。イヌホオズキの花だよ」
花の名前を聞いて、杠は得心したような顔で笑った。
「 イヌホオズキ!……ゲン君にぴったりだね!」
……イヌホオズキの花言葉は『嘘つき』。たしかにこれ以上、自分にふさわしい花はないだろう。
しかし、詐術の対象ではない相手にまで無邪気に肯定されると、多少複雑な気持ちにはなる。
「 あはは、でっしょ〜?嘘つきの俺にぴったり」
おくびにも出さず笑い飛ばして見せるが、今度は杠が不思議そうに首を傾げた。
「 うーん?ひょっとしてゲン君が知ってるのと私が知ってる花言葉、違うのかも。