はじめてのおくりもの。涼しい風がそよいでいた秋空が、いつからか寒空へと変わり、いよいよ冬へと突入した。
もう半袖の者はほとんど見掛けなくなり、オッチンの体毛も冬毛へと生え変わった。
カギヤ星の街中を見渡せば、クリスマスに備えた彩りでいっぱいだ。
毎年それを目にする度に冬の訪れと、今年の1年の終わりの近くを感じるのであった。
…しかし、レスキュー隊としてそれに浮かれてはいけないのは勿論の事だが、今年はどうにも気分があまり浮かない。
それは先日に起きた、とある出来事に起因している。
それは我がシェパード隊の新米隊員、ベルにまつわるものだった。
新人研修で会った当初は控えめ…というより無口で大人しい印象ではあった。
しかしそれとは裏腹に、秘められた実力を目の当たりにし、それをきっかけに我が隊の一員として迎え入れることにした。
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