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    shinokoko

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    shinokoko

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    かの有名な元フリーホラーゲーム ibパロ二初です
    かけたところから追加していきます!
    レッツ ライヴライティング!

    ⚠️注意⚠️
    “個性”無し世界(キャラの独自設定あり)
    年齢操作あり
    諸事情により、後々作中に既存キャラの名前(勝手に命名)が出てきます
    パロに合わせるためのゲーム内容改変

    諸々、なんでも許せる方向けです!

    #二初
    secondBeginning
    #駆与
    #hrak(腐)

    Aの肖像(プロローグ) 日の光が僅かに届くすっきりとしない薄曇りの空の下、死柄木与一はとぼとぼと町の美術館へ向かっていた。家に帰りたくないというそれだけのために、さほど詳しくもない画家の展覧会へと足を向けていた。
     昔からあるその美術館は未だ機械化されておらず、受付にはスタッフが常駐し来場者の対応を行なっている。物販とは別にリーフレットやパンフレットも置かれているため、忙しいであろうに初老の男性スタッフは涼しい顔で来場者をさばいていた。あまりひと目につかないようにと俯きながら足を踏み入れた与一は、並べられた美術品を横目に歩いていく。さほど時間をかけずに一階、二階と回廊を回り、案内板に従って三階の休憩スペースへと辿り着く。
     美術館は良くも悪くも絵を観に来る人ばかり。他人に意識を向けるような人間は基本いないおかげで、与一は他者の視線に晒されることもなくひと息つくことができた。
     最上階の休憩スペースはかなり広めに作られており、本来はここも展示がされるべき場所なのだろうと推測できる。今回の作家は絵画を基本としているが彫刻など様々な媒体を残しているため、この場所も展示室に休憩スペースを併設していた。現に部屋の壁一面を埋め尽くすほど大きな絵が飾られており、その保全のためか時おり煉瓦色の髪をした警備員が巡回していたが、さすがに休憩している人間にまで声をかけては来なかった。
    「はぁ……」
     このところずっと感じていた違和感と緊張感から解放され全身から力が抜ける。一息ついた与一はポケットから一枚のハンカチを取り出した。シルクのさらりとした懐かしい手触り。そこに縫い取られたイニシャルをそっとなぞり、与一は眉を下げて口元を緩めた。
     年月が経ち、刺繍糸が色褪せ始めているが折に触れてこのハンカチを眺めるのが与一の癖になっていた。
     ベンチに腰掛け誰に咎められることなく思い出に耽り、ようやくひとりだと実感できた与一が肩の力を抜き息をはいた瞬間、休憩室の電灯がちかちかと瞬いた。停電かと身構えたが、その後は何事もなく電灯は元の輝きを取り戻した。そのとこに安堵はしたものの、何かあってはと不安にかられた与一は握りしめていたハンカチをポケットへ突っ込むと三階の休憩室を出て階下へと降りる。
     少し前まで階下は絵画や彫刻を楽しむ人々で賑わっていたはずが、今は人影どころか気配すらない。
    「え……?」
     思わず言葉が漏れる。回廊をぐるりと周る。来場者がいないのは先ほどの電灯の点滅による避難と考えられなくはないが、警備員や美術館のスタッフすらいないのはおかしい。少なくとも何かあれば館内放送もしくは誘導があるはずだ。
     膨らむ不安を抱えながら歩いていると、突如咳をする音が響く。ビクッと肩を震わせて周囲を見回すが人がいる様子はない。ふと目に留まった絵画のネームプレートを見ると、そこには『咳をする男』と書かれている。
    「…… そんなわけないよな」
     怯える心に見ないふりをして、独り言を呟く。自分以外の誰かを見つけるべく小走りで行く与一を嘲笑うように絵画の中の果物が目の前で床へと転がり落ち、黒猫が呑気な鳴き声を響かせる。その度に増す恐怖心から逃れるように、与一は先ほどまで変化のなかった休憩スペースへと駆け込んだ。
     元々人のいなかったそこには、絵画だけが静かに佇んでいる。ここは変わらないと安堵のため息をついた与一は、額縁の縁から青い絵の具が染み出していることに気がつき顔から血の気を引かせた。
     またチカチカと電灯が瞬き、今度はベチャッと湿った音を伴い床に赤い文字が浮かび上がる。
    【お い で ヨ イ チ】
    「ひっ!」
     文字が言葉として繋がり、与一は怯えて壁際まで後退る。赤い文字は次々と同じ言葉を繰り返し、まるで手を伸ばすように与一の足元まで伸びてきている。どこか逃げ場はないかと目を走らせた与一は、額縁から垂れた青い絵の具が文字に変わっていることに気がついた。
    『ついておいで。いいところに連れて行ってあげる』
     優しい言葉に心が揺らぐ。その間にも、赤い文字は怒りをあらわにするように床に文字を増やしていく。
    【おいで。おいで】
    『ついておいで』
    【来い】
    『こっちだよ』
    【来るんだ】
    『下までおいで』
     足の踏み場もないほどに床が赤い文字に埋め尽くされる。その文字に追い立てられるように、誘われるように与一は青い文字の示す方へと足を向ける。
     今この場から逃げ出せるのであればたとえそれが罠であったとしても、縋りたい気分であった。
     階段を駆け下り二階へ降り立つ。相変わらずひと気はないが、赤い文字が追いかけてくる様子はない。知らぬうちに詰めていた息を大きく吐き出し、与一は壁に手をついた。ひとまず呼吸を整え、意を決してひとりきり美術館の回廊を歩く。壁に反響する自身の靴音にさえ恐怖を掻き立てられる。そのまま一階まで降り立つと、与一は美術館の入り口へと走った。入り口のドアへと取りつき、外に出られないものかと押し引きしてみるがどれほど力を込めてもびくともしない。ようやく辿り着いた入り口からも外に出ることができず、どうしたら良いものかと与一は唇を噛む。と、背後からコツコツと落ち着いた足音が聞こえて思わず振り返る。しかしそこには誰もおらず、ただ青い足跡が与一を誘うように続いていく。
    「ついてこいってこと……?」
     正解だと言わんばかりに足跡は入り口から美術館の中へと続いていく。怯えながら歩く与一がついてくるのを確認するように時おり留まり、彼が追いつくとまた足跡も進んでいく。
     とうとう青い足跡が一枚の大きな絵画の前で止まった。
     深い海の底とそこに生きる不可思議な生物を描いたそれは、絵の主題に沿うように床に設置されている。最初に見た時には近くに寄ることができないようロープのパーテーションで囲まれていた。しかし今は一ロープの一部が外され、絵に直接触れられるようになっていた。絵の具で表現されていたはずの深い青は緩やかに波打ち、奥底で怪しい光が与一を誘うように、導くように明滅している。
     美術館から出る術を見つけられないまま閉じ込められるよりはと、与一は今は深海と化した絵画へと飛び込んだ。
     
     
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    shinokoko

    PROGRESSかの有名な元フリーホラーゲーム ibパロ二初の続き です
    かけたところから追加しております!
    でも終わってないです💦 すみません

     ⚠️注意⚠️
     “個性”無し世界(キャラの独自設定あり)
     年齢操作あり
     諸事情により、後々作中に既存キャラの名前(勝手に命名)が出てきます
     パロに合わせるための原作ゲームの内容・キャラ設定改変

     諸々、なんでも許せる方向けです!
    Aの肖像(続き) 小部屋から出て先ほどブーケを食べた唇があったところへと向かう。しかしそこにあの唇は無く、扉が鎮座しているだけだった。扉の向こう側にもまた同じものがあるのではと身構えながらドアを開いたが、くぐり抜けた先にあったのは一面灰色の部屋だった。かなり広いその部屋は仕切りで先が見えない。しかし先ほど動き出して彼らを襲ってきた女の絵画と同じ物が幾つも並んでいる。
     さすがに襲われた時の光景が記憶に新しく近寄り難い。ふたりは壁からなるべく離れるように進んでいった。壁に仕切られた区画の一面には新たな絵画が飾られている。絵の前面には新聞紙がばら撒かれ、傍らに鼻にランプを下げたゾウの像が置かれている。
    『ねぇ。そこ、どいてくださらない?』
    6640

    shinokoko

    PROGRESSかの有名な元フリーホラーゲーム ibパロ二初の続き です
     かけたところから追加しております!
     でも終わってないです💦 すみません

     ⚠️注意⚠️
     “個性”無し世界(キャラの独自設定あり)
     年齢操作あり
     諸事情により、後々作中に既存キャラの名前(勝手に命名)が出てきます
     パロに合わせるための原作ゲームの内容・キャラ設定改変

     諸々、なんでも許せる方向けです!
    Aの肖像 第二章



     暗い場所で目が覚める。足元の固い感触に床があることだけは確かだったが、周囲に光源が無いために部屋なのかどうかもわからない。
    『与一』
     不意に声が聞こえた。耳にした与一の背がぞわりと震えた。
    『与一』
     今度は背後から聞こえてきた声に瞬間的に走り出す。周囲が壁かもしれないがそんなことに構っている暇はない。考えるよりも先に足を動かす。
    『与一』
     ねっとりとまとわりつくような重い声が追いかけてくる。絡まりそうになる足を動かしていた与一の目の前に淡い光に照らされた通路が見える。考える余裕もなく与一はその通路へ飛び込んだ。
     光は少しずつ弱くなる。通路は長くトンネルのようになっているので不安がいやます。
    『どこへ行くんだい? 与一』
    1300

    shinokoko

    PROGRESSかの有名な元フリーホラーゲーム ibパロ二初の続き 其の二 です
    かけたところから追加しております!
    でも終わってないです💦 すみません

     ⚠️注意⚠️
    “個性”無し世界(キャラの独自設定あり)
    年齢操作あり
    諸事情により、後々作中に既存キャラの名前(勝手に命名)が出てきます
    パロに合わせるための原作ゲームの内容・キャラ設定改変

    諸々、なんでも許せる方向けです!
    Aの肖像 第一章(続き2) ふたりは当て所なく続く廊下を歩いていく。
     どこともしれない不可思議な場所ではあるが美術館であることだけは確かである。飾られた絵画や彫刻が動き、こちらをじっと眺めたりと不穏な動きをする以外は。
     薄暗い照明と最小限の装飾。人間は駆藤と与一だけだけのはずが、うるさいくらいに人の気配がする。
     美術館とは基本的に飾られた美術品に視線を向けるために通路や装飾に気を遣っている。人がいても気にならないことよう工夫されていることの多い印象であるが、この場所は人がふたり以外存在しないにも関わらず落ち着かない騒がしさだった。
     そんな中をふたりは周囲を警戒しながら並んで歩く。
     ドアを潜ってたどり着いたさきは、エントランスのようになっており、壁にそれぞれ男女の絵が飾ってあった。その絵の前には肘から先だけの手が、何かを求めるように指を開いた状態で床から突き出ていた。
    3945

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    shinokoko

    PROGRESSかの有名な元フリーホラーゲーム ibパロ二初の続き です
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    でも終わってないです💦 すみません

     ⚠️注意⚠️
     “個性”無し世界(キャラの独自設定あり)
     年齢操作あり
     諸事情により、後々作中に既存キャラの名前(勝手に命名)が出てきます
     パロに合わせるための原作ゲームの内容・キャラ設定改変

     諸々、なんでも許せる方向けです!
    Aの肖像(続き) 小部屋から出て先ほどブーケを食べた唇があったところへと向かう。しかしそこにあの唇は無く、扉が鎮座しているだけだった。扉の向こう側にもまた同じものがあるのではと身構えながらドアを開いたが、くぐり抜けた先にあったのは一面灰色の部屋だった。かなり広いその部屋は仕切りで先が見えない。しかし先ほど動き出して彼らを襲ってきた女の絵画と同じ物が幾つも並んでいる。
     さすがに襲われた時の光景が記憶に新しく近寄り難い。ふたりは壁からなるべく離れるように進んでいった。壁に仕切られた区画の一面には新たな絵画が飾られている。絵の前面には新聞紙がばら撒かれ、傍らに鼻にランプを下げたゾウの像が置かれている。
    『ねぇ。そこ、どいてくださらない?』
    6640

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