別に君を(中略)その香水のせいだよ 手遊びにラブホのライターを弄りながら、写真の一枚でも撮っておけば良かったと歯痒く思う。
そしたらそれを新聞部に売り飛ばしてアイツが女を喰ってるウワサをばら撒くこともできたかもしれないのに。あ、無理か。
この学園には、一般生徒は四天王には絶対服従、という暗黙の了解がある。一応、生徒会長側につけば抗うこともできるらしいが、生憎私は徒党を組むことには興味がない。
四天王のメンバーは、新聞部、帰宅部、華道部、そして、保健委員。
その保健委員と私は、夜の帳が下りる頃、示し合わせて学園近辺のラブホに入り、そこで夜が明けるまでを過ごした。
なぜ学園近辺なのか。自分でもそう思う。
たぶん、結局、私たちくらいの年齢のガキはどんだけエラソーなツラしてても自分の行動範囲しかものを知らないのだ。ダッセー箱庭の中で生きてる私たち。
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