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    nekotakkru

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    #BL松
    #一カラ
    oneKaraoke

    ちょっとおかしな弟に死ぬほど愛されて夜も眠れない「お前見てるとムラムラするから死ぬか消えるか俺の性欲処理に付き合えよ」


    ある日二つ下の弟からよく分からないことを告げられた。

    言葉の単語一つ一つの意味は分かってもそれが上手く繋がらない。元々考えるのは苦手だし、どう見ても三人は殺してそうな弟の笑顔を見ていたら恐怖で頭の中は真っ白になってしまった。それでも俺は兄貴だから何か答えてやらねばと、なんとか絞り出した言葉は『うん。…えっ』の二つだけ。それでも何か伝わったのか、一松は今まで聞いたことないような声量で絶叫しながら窓ガラスを割って出ていった。ここ二階だよな?大丈夫なんだろうか。一体なんだったのか訳が分からずその日はそのまま過ごしたが、次の日からどうにも一松の様子がおかしくなった。





    「おいクソ松。これやるよ」

    目の前に置かれたのは猫耳がついたカチューシャと、どう見ても男性器の形をしたものが根本についている尻尾。なんだこれ見たことない。猫耳の方はチョロ松が似たようなものを持ってた気がするが、尻尾の方はどこで手に入れてきたんだろう。怖くて聞けない。

    「えっと一松、これは?」
    「は?プレゼントに決まってんだろ。泣いて喜べ。そして鳴け」

    言葉に別の意味が含まれてる気がする。物はともかく一松がせっかく俺のために用意してくれたんだ。ありがたくもらっておこう。お礼に俺特性のタンクトップをプレゼントしようとしたら全力で引き裂かれた。何故だ。しかも鬼のような形相で胸ぐらをつかんでくる。怖いよ一松。お兄ちゃんちょっと泣きそうだよ一松。

    「てめぇ舐めてんのか。こんなに可愛いプレゼントされたら泣いて喜んですぐにでも付けるもんだろうが」
    「これ可愛いか?!」
    「どう見ても可愛いだろうよ。お前がこれ付けてアヘ顔ダブルピースしたらもっと可愛いだろうな」
    「意味が分からない!!」

    逃げようとしたら行く手を阻まれてあっさりと部屋の隅に追いやられた。さすが一松、きっと可愛い子猫ちゃんたちと遊ぶ時もこうやって戯れているんだろう。顔めっちゃ怖いけど。だが感心してる場合じゃない、オザキを目指す俺としてはあんな可愛らしい猫耳なんてつけられない。どうにか隙を見て逃げ出したいけどエイトシャットアウツ、俺は捕らえられた堕天使の如くあ、ちょっと待って本当に怖い待って待って待って。

    「ただいマッスルマッスル!ハッスルハッス……何!?殺人現場!?」

    チャンスだ!
    タイミングよく帰ってきた十四松に気を取られた一瞬の隙をついてなんとか逃げ出す。兄としては格好悪いがそんな事言ってられない、俺は十四松の後ろに隠れて距離をとった。明らかに殺意のこもった一松の視線が向けられるがここで十四松を離してはいけないと防衛本能が働く。結局その日は一日中十四松に引っ付いて過ごした。何回か『やっべー!ボク近日中に殺されるかもー!やっべー!』と叫んでいたが、人に好かれやすいこいつが殺されるなんて事あるわけないし、もし万が一そんなことがあれば俺が全力で守ってやろうと思った。




    「クソ松、今日は一緒に風呂入んぞ」

    フッ、何言ってるんだ風呂なら毎日一緒に入ってるじゃないか。そう返せばビンタされた。事実を言っただけなのに何故。ところでなんで一松は既にジャージとパンツを脱いでいるんだろう。その格好じゃ銭湯に行けないのでは?

    「馬鹿、銭湯じゃなくて家の風呂に入るんだよ。さっさと脱げ」

    六つ子の俺達が一人一人風呂に入ってはガスと水道代がものすごい金額になるそうで、いつからか銭湯通いが当たり前になっていた。だが家に風呂がないわけでなく、誰かしら出かけていて少人数の場合は家で済ませることもある。今日は全員揃っていて今まさにその準備中だったんだが、急遽変更になったんだろうか。

    「一緒に洗いあいっこしたいからお家で入ろう?て可愛い弟が言ってんだぞ。断んのかよオニーチャン」
    「そんな棒読み聞いたことない。だが可愛い弟がそう言うなら仕方ないな」
    「ウワーイ。アリガトウオニーチャン。クソちょろ」

    俺はチョロ松じゃないぞ。しかしまぁ、一松も甘えたい時があるんだな。洗いあいっこなら銭湯でもできる気がするが、一松たっての希望ならそれを叶えてやるのが兄貴ってものだ。無理矢理に服を引っぺがしにくるほどせがまれたら、応えない訳にはいかないだろう。でも乳首に鼻息吹きかけるのやめて。擽ったいしなんか恥ずかしいからやめて。

    「兄さん達ー、用意出来どっふぉ」

    パンツを下ろされそうなその時トド松が俺達を呼びに来た。口から大量の唾液を吹き出したが大丈夫なんだろうか。二人して何してんの!?馬鹿なの!?と驚かれたが、裸にならなければ風呂に入れないだろうと返すと、頭カラッポ松兄さんは黙ってろと怒鳴られた。なかなか上手いことを言うな、トッティ。
    残念ながら一松の希望はトド松によって叶えられることはなかった。俺は服を一松はズボンを強制的に着せられて、首根っこを掴まれながら銭湯に連行された。負のオーラを纏う一松に洗ってやろうかと提案したら、違う、そうじゃないと冷たくあしらわれた。弟の気持ちの変化は難しい。




    「ふざけんなクソ松。浮気かクソ松。いくらMでもまだ寝取られ耐性はつけてねぇんだよクソ松」

    外から帰ってくるなり一松は俺の胸ぐらを掴んでそう捲し立てた。あんまり揺さぶられたら俺の膝で寝てるチョロ松が起きてしまう。就活から帰宅し、適当な座布団がなかったから俺の膝を枕替わりに貸してやったのだが、あっという間に眠りに落ちたんだ。相当疲れがたまっていたんだろう、労りの思いを込めて頭を撫でたら、一松が締めてくる手に力をこめてきた。死ぬ死ぬ死ぬ。チィッ、と大きな舌打ちをして離してくれたのはいいが一松の機嫌は悪いままだった。もしかして、お兄ちゃんを取られたと思って妬いてるのか?可愛い奴め。だが安心しろ、俺の足は二本あるんだ。もう片方の膝を叩いて一松を呼んだ。

    「ほーら、お兄ちゃんのお膝だぞー?」
    「その言い方やめろぶち殺すぞ」
    「あ、ハイ」
    「…ねぇ。膝じゃなくてさ、そっちでもいい?」

    指さされた方は胡座の真ん中。ポッカリと穴が空いているところ。枕としては使い勝手が悪そうだがいいんだろうか。決して柔らかくはないが、それでも頭を置くなら太腿の方がいいぞと勧めたら、一松は首を横に振った。

    「いいんだよ。立派なキャンタ枕があんだろーが」

    にたりと笑いながら舌なめずりする一松の顔は、一言で言うなら凶悪そのものだ。噛みちぎられるんじゃないかと思って文字通り縮み上がってしまった。これじゃあ枕にならないな。いや、呑気にそんな事考えてる場合じゃないんだが。それはちょっととお断りしようとしたら既に一松の顔は俺の股間の前にあった。お前そんなに素早く動けるんだね。生暖かい息がかかって思わず腰が引ける。それでもチョロ松を起こしてはいけないと身じろぐ事しか出来ない。さよなら、俺のキャンタ枕。

    「いや抵抗せんかーい!!!」

    綺麗な右アッパーが俺の顎を突き上げた。前歯がすっ飛んでスローモーションのまま後ろに倒れる。フッ、お前の拳悪くないぜチョロ松。でもなんで俺?

    「んだよ、邪魔すんなよ」
    「邪魔とかじゃないから!俺いるから!お前のその顔、性犯罪者予備軍だからー!」

    すっかり復活したチョロ松は俺と一松を並んで正座させるとこんこんと説教を始めた。人がいる時にそういう行為をしてはいけないとか、常識ぐらい守れとか至極当たり前のことを言っているのは分かるがなぜ怒られているのかは理解出来なかった。キャンタ枕は非常識なんだろうか。噛みちぎられないのは良かったが。説教の後にチョロ松にもう一度膝枕を提案したら一松に殴られ、それならばと一松に噛みちぎらないことを前提にキャンタ枕を提案したら、今度はチョロ松に殴られた。一体俺が何をしたというんだ、意味がわからない。









    「ひゃあ~。酷い顔してんなぁ、カラ松」

    今日も俺の格好良さを確かめるため鏡に向かっていたら、ふらりと現れた兄貴が驚いた顔をして言った。実は、ここ最近気にしていることだった。原因は分かってる、寝不足だ。ニートだからと言って特別夜ふかしばかりする訳では無いのだが、この頃ゆっくりと睡眠を取れていない。目の下の隈もアウトローな感じでなかなかイカスが、やはり引き締まった顔の方がより俺らしいだろう。

    「で、原因はなによ?もしかして一松?」
    「よく分かったな」
    「マジかよ、言うんじゃなかった」
    「聞いてくれるか」
    「三百円」

    さよなら俺のなけなしの小遣い。


    時計の針が深夜を回る頃、一松は決まって俺に抱きついてくる。はじめは寒いから暖を取っているのかと思ったがどうにも手つきがおかしい。集中的に乳首や尻を撫で回されて、耳元では押し殺したような呻き声が聞こえてくる。呼吸も荒くて、どこか苦しいのかと少しだけ目を開けて一松の顔を伺ってみると、血走った目が俺の顔をガン見していた。思わず声が出そうになったけど他の兄弟を起こすのはまずい。口元まで出てきた言葉を飲み込んで寝たふりを続けたら、ぽそぽそと何か囁かれた。

    「ふ、ふふ…。ブッサイクな寝顔…くふっ、そそる」
    「……」
    「ひへ、へへへ。あー、俺のちんこ掴みながら『兄弟がいるのに欲情してるのか。気持ち悪いな』て罵って欲しい。もしくは寝起きの冷たい目で睨まれながら特濃弟汁ぶっかけてやりたい」
    「……っ」
    「もういいかな。いいよな。手出してもいいよな。いや初めてを眠姦で済ましていいのか?それはそれで興奮するな。やっぱりここは叩き起すか。びっくりしてまた泣くんだろうなぁ、ひひっ。やべぇ射精しそう」

    こっ、怖いよぉぉぉぉぉ!!!
    恐らくは夢で素敵な一松ガールと出会っているんだろうが、寝ぼけてるとはいえ出てくる単語が穏やかじゃない。これじゃあ夢の中のガールも泣いて逃げ出すんじゃないだろうか。それに足に当たってるのは確実に一松のイチモツだ。生理現象だから仕方ないのは分かっているがどうしても意識してしまう。しかし俺は動くことが出来なかった。もしここで一松を起こし一連の事を説明したら、確実に俺を殺しに来るだろう。ダメだ、まだ死にたくない。だからと言って何も気にせずゆっくり眠れるわけもなく、どうしようと考え込んでいたら朝を迎えていた。


    「そんなことがここの所毎晩続いているんだ」
    「え?ごめん九割ぐらい聞いてなかった」
    「えっ」
    「大体さぁ、何それノロケ?いくら付き合ってるからって、同じ布団で乳繰りあってるの聞かされる俺達の気持ち考えたことある?」
    「…………え?」

    ちょっと待ってくれ。今兄貴はなんて言ったんだ?付き合う?誰と誰が?

    俺と、一松のことか?

    そりゃ確かに最近一緒にいることが多い気もするが、俺達兄弟は基本的に六人で行動しているんだし普通だろう。俺に対して当たりが強いのもいつものことだし、なにか待遇が変わったわけでもない。

    いや、ちょっと待て。もしかして、あの意味が分からないと思っていたセリフは告白だったんだろうか。考えてみればあの日から一松の様子は少しおかしくなったし、僅かだけどスキンシップが多くなった気がする。じゃあ今までの出来事は恋人同士のそれであって、一松はずっと俺に好意を寄せていてくれたということか。でもまさか、そんな、だって、けど。

    「…ねぇカラ松聞いてる?って、何その顔」
    「あ…」

    突然襖が開いて視線を向ければ一松が立っていた。やっと見つけた、と溜息をついて俺の方へ近付いてくる。これは不味い。顔に熱が集中する。吹き出した汗が止まらない。心臓がうるさい。どんな顔をすればいいのか分からない。
    あと少しで一松の手が俺に触れそうなその瞬間、弾かれたように襖へと飛び出した。出ていく直前に振り返って一松と視線が絡む。ああ、そんな目で見ないでくれ。意識しだしたら止まらない。一松が俺のことを好きだなんて、そんなの、そんなの、嬉しすぎてどうにかなりそうだ!

    「お、おい?クソま…」
    「い、いいい一松!俺、暫く隣で寝れない!すまないが少しの間、時間をくれ!」

    捨て台詞を吐いて俺は玄関へと走った。息ができないほど胸は苦しいのに、顔が緩むのを止められない。叫びだしそうな想いを足に、俺はひたすらに走り続けた。

































    「泣いてるの?一松兄さん」
    「泣いてない。泣く訳ない」
    「悪かったよ、説教して。てっきりお前達、当てつけでいちゃついてるのかと思ってたから」
    「気にしないで。どうせゴミの独りよがりだったから」
    「一松兄さん怒ってる?ボクがカラ松兄さんと一緒にいたから怒ってる?ボク殺される?」
    「怒ってないよ、十四松」
    「元気だしてイッチ。お兄様がちゃあんと仲を取り持ってやっただろ?感謝していいんだぞ?」
    「死ね長男」
    「なんで俺だけ?!」
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