「あなたが好きです。好き。今さら、遅いかもしれないけど。ごめんなさい。好きなんです。もう一度だけ、隣にいさせてください。それで俺のこと嫌いなままだったら、諦めます。だから、お願いです。俺に、チャンスをくださいっ……」
ぼろぼろと涙を流して、肩を震わせて。嗚咽混じりに、必死に言葉を絞り出して。ぎゅう、と、普段より小さく見えるその姿を、腕の中に閉じ込めた。
「あなたのことを、教えてくれてありがとう。好きという言葉も、とても嬉しいです。それから、誤解をしているようなので訂正を。僕は、あなたを嫌ってはいません」
「うそ……」
と、弱々しい否定の声。
「だって、怒った……」
「ええ、怒りました。怒っただけです。でも、僕も感情をどう処理すればいいのかわからなくて、結果的にあなたを苦しめてしまいました。喧嘩なんてしたことがなくて、どうやって謝ればいいか悩んでいる間に、無駄にあなたを悲しませてしまった。難しく考えずに、ただ謝って、どうしてそう言ったのか説明すれば、きっとあなたは許してくれたのに」
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