オレが隠すから、お前は✕✕てよ「おい」
短い言葉でとがめられた。
青緑の目が不機嫌そうに細められる。でも、これは怒っているのではない。何回も見てきたおかげで、今こいつの考えていることは手に取るようにわかる。
「なに」
「それ、やめろ」
何を指しているかって、今オレがデュースのベッドの上に乗り込んで、かってに腕や腹を撫でまわしていることについてだろう。明日は午前ぶち抜きで、大規模な実践魔法の合同授業が行われるのだ。その前日にはさすがに〝できない〟から、妙な気分になる真似はやめてくれということらしい。
そう言われても、オレにとってはこういう時にだけ楽しめる遊びなのだ。簡単にやめてあげるつもりはない。
「そんな曖昧な言い方じゃわかんないって」
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