11/19私の上司は諦めが悪い というわけで、イエティの説得である。朝起きてメフィスト様にふわもこを着せて写真を撮って出発した。
「〜〜〜」
私はイエティと対話を試みるメフィスト様の斜め後ろで両手を上げて害意がないことを示しつつ、たまに翻訳の手伝いをしたり周囲の魔力の流れを探って対話中のイエティ以外の魔獣の動きを確認したりしている。
「〜〜〜〜、よろしく、ね」
「……説得、できました?」
「たぶん」
メフィスト様は汗ビッショリでちょっと息が上がっていた。穏やかな顔を維持しつつ、慣れない言語を魔術で変換しながら、極寒の中長時間やりとりしていたのだ。かく言う私も長時間魔術を使っていたのでちょっとフラフラする。
帰ろうかとイエティ氏に頭を下げると、唸り声が響いた。
976