楽園で探す希望のかけら-勇気の使徒は世界に抗うシリーズ ポップの眼下にはかつてアバンが貼った結界に覆われた島があった。
そこはデルムリン島、かつてモンスターたちの楽園だった島。今は人間たちが占拠する島。
ポップはトベルーラを使いながらふわりと結界を通り抜け、ゆっくりとブラスの家に向かう。なんなく結界を通り抜けることができることにポップは笑いがこみあがってくる。
何が邪悪なるものを退く結界なのか。オレですら通り抜けることができるというのに。
かつてのブラスの家は予想どおり見る影もなくなっていた。壊され、踏みにじられ、単なる瓦礫の山と化している。その周りに幾人かの武装した兵士が倒れこみ眠っていた。ポップが島全体にかけたラリホーの影響だ。
そう、こいつらだって入り込めたんだ。島に侵入したコンキスタドールですら。邪悪なものが入り込めず、誰にも荒らされず、資源の豊富なこの島はさぞや魅力的だったのだろう。住んでいたモンスターたちも至って平和的な気性で、仕事がやりやすかったに違いない。
1950