父子竜の狭間の前に コツコツと、ノックの音が響く。レオナが書きかけの手紙から顔をあけると、開け放たれた戸口にポップが立っていた。ランプの明かりの下ではあるが、ポップの顔色はなんとなく読み取れる。疲労の色はあまり感じない。レオナは安堵する。
「おかえりなさい。お疲れ様」
「おう、もうひとっ走り必要なら行くけど?」
この前線基地は野戦病院へと変わり、必要な食料や医療物資が増加した。その手配の書類をレオナが用意し、ポップに届けてもらったのだ。明日の出撃に備えてポップも体を休めてほしいところではあるが、ルーラの使い手は多くない。フォブスターもノヴァも万全ではなく、ポップの「ルーラの1回や2回はどうってことねぇよ」という言葉にレオナは遠慮なく甘えた次第だ。
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