ムーンナイトティーパーティー 談話室から戻る道すがら、ルチルとミチルは廊下でスノウとホワイトに出くわした。
夕食後から少し経ち、そろそろ自室に戻って自分の時間を過ごして寝支度をという時間だったが、スノウとホワイトは絵の中ではなく昼間と変わらない姿でいる。抜け出る気になれば出てこられるとは言っていたので、それ自体は不思議なことではないのだが、意外な時間に意外な場所で出会ったものだから、兄弟はふたりして少なからず驚いたのだった。
「スノウ様、ホワイト様。こんばんは」
「こんばんは! こんな時間に、どうしたんですか? お腹空いちゃったんですか?」
ルチルとミチルが挨拶をしてから尋ねると、双子はにっこり笑ってそれぞれふたりの腕を抱くようにして捕まえた。その様子は、一見すると幼い子どもが年上の相手に甘えているように見えるが、スノウとホワイトがただ甘えるような仕草をしているだけではないことにルチルは何となく気づいていた。ふたりは、なにか明確に用事があってこうしているのだと。
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