まおりつ/あんスタ 朝、待ち合わせの約束通りに幼馴染が姿を現すことはなく、結局家まで迎えに行くのが習慣になった。電話をかけながら家を出て、まだパジャマ姿の彼の朝食を急かし、着替えを手伝ってやる。
けれども今朝はいつもより酷い。全くつながらない電話の呼び出し音を聞きながら、真緒は勝手に凛月の家に上がり込んだ。嫌な予感は的中する。凛月は、ベッドの中ですやすやと寝息を立てていた。
「おい、凛月。まだ寝てるのか?」
真緒は焦って彼を揺り動かした。朝食を食べる時間はもうない。最低限、着替えさせて、顔を洗わせて——それでギリギリ間に合うかどうかだ。
「ん、んん……」
真緒の焦りを知らず、凛月はのんびりとした呻き声をあげ、ゆっくりと目を開いた。
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