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    ParAI_t

    @ParAI_t

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    ParAI_t

    DONE※オトメ勇者最新話(第57話)ネタバレ
    お題は「神無月」です
    今週もまたすごい展開でしたねえ
    推しの心情深掘り第2弾ということで、今週の展開を踏まえた今回もまるで先行きが明るくはないお話です
    毎週のお題に合わせて可能な限り続けていきたいけど、多分そのうち矛盾すると思う(確信)
    書いてて思ったけど、メインストがトゥルー爆走してるなあと思うと同時に箸休め回をくれ…!
    イチャコラさせる暇がないんだよなあ
    裁きの光は虚ろにて / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



















     勇者は、死んだ。エルドアの淡々とした発言を聞いたクロービスは、しばし呆然と立ち尽くしていた。六天魔という異常事態を片付けねばならない、と理性が警告を発しているものの、目の前の光景はとうに現実味を感じられなくなっている。
     いつかの悪夢のように魔物に命を狙われたとしても、守ってやれるはずだった。それがこの現状はどうだろう。女神の声を聴く者は、これほどに呆気なく希望の光を握りつぶし平然としている。傷つき悩み、憂い惑い、それでも譲れないもののために何度でも立ち上がって剣を振るっていた少女を切り捨てる事が、この聖なる地の正義だった。
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    ParAI_t

    DONEドロライ参加作品、お題は第一回の「笑顔」です
    ふふ、本編更新前に上げれば仮にどんなにおかんむりでも夢が見れるのだ…!(何)
    こんな感じの何度も不器用に励ます系の話書いてる気がするので、これはきっと私のサビですねえ
    まあ、口下手なのを自覚しつつも、言い直ししつつ懸命に言葉を選ぼうとする推しが好きなのでしょうがないね
    さて、次章はかっこいい推しが見られることを祈りつつ、TLで元気に狂おうと思います←
    start over / クロアス------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------








































     多忙な業務の合間を縫い、今日もクロービスの執務室には恒例となった休憩の時間が訪れていた。

    「あっ、このクッキー美味しいですね!」
    「その感想を聞くのは今日だけで五度目だな」
    「お、美味しい物は何度美味しいって言ってもいいんですっ」
    「……そうかね」

     祝賀式典の最中に魔王の封印失敗の報を受けてから、アステルは気がそぞろとなっている。命がけの戦いを制して平和な世が訪れたと思ったのも束の間、終わったはずの戦いが再度幕を開けたのだ。それは、絆を十分に高めたグランスレイヤーと共に持ちうる力を全て出し切ってもまだ足りない、という認め難い結果を示している。ただの村娘から勇者へと成長し、ようやく使命を果たせたと喜んでいたアステルにとって、この事実は落胆するのも無理からぬ話だろう。
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    ParAI_t

    DONE第二回ドロライ投稿作品です。お題は「傘」「ワルツ」。
    キャラストの13話~14話くらいのもだもだしてる時空のつもりです。公式で「相合傘しない」っていうから状況を作りました。追い込み漁は楽しいですね(いい笑顔)
    私の書くビス殿世話焼きすぎでは?ってなりつつも、あれこれ世話焼いてたりとかが積み重なって「言わねばわからぬのか」とか言い始めるのかなってのが根底にあるので、多分ずっとこのままだろうなあ。
    rainy turn / クロアス----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


















     天から降り注いだ滴は、しとりしとりと石畳に吸い込まれていく。湿った街の匂いに包まれたアステルは、傘の下から覗いた城下の景色に目を向けた。馬車や移動魔法の呼び込みは活発となり、順番を待つ列は次第にその長さを増していっている。露店は晴れの日とは一風変わった品揃えで、服を乾かすための魔道具や天気の悪い日にだけ咲く珍しい花が並んでいた。早々に店仕舞いを始めた馴染みの屋台は、売り切ってしまうつもりなのか軽食の値下げが行われている。そのうちの一袋を応援と共に渡されたアステルへ、先を歩くクロービスから小言が降ってきた。
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    ParAI_t

    DONE「オトメ勇者版週末創作一本勝負」の参加作品です。テーマは第一回の「勇者の目覚め」と「笑顔」のつもり。
    本当はストレートにお題を解釈したメイン寄りの話にしようと思ってたんですけど、「6月だしジューンブライドネタは入れたいよな…」とか欲を出し変則的な話になりました。まあ、今月またそんな感じのテーマ来たらもっかい書けるしいいよねって←
    タイトルに指輪と雄弁をかけたつもりはあるけど、指輪でてきてないな…。
    はじまりは銀色な / クロアス 祭壇へと長く伸びる赤い絨毯を、アステルは歩いていた。天井のステンドグラスから注ぐ光は、淡い彩りで床に影を落としている。一歩、また一歩とそちらへ近づいていけば、永遠の愛を誓う相手の様子がはっきりと見えた。
     着慣れない裾の長いドレスやこれからの一連の儀式に緊張しているアステルへ、『大丈夫だ』と言うように優しい眼差しが向けられる。とくんと胸が高鳴ると、張りつめていた気持ちは身体の奥から沸き上がる柔らかで温かい想いに解されていった。足が進むごとに、これから始まる未来への喜びと幸福が満ちていく。祭壇の前に着く頃には、頬が色づく理由は希望に溢れたものに変わっていた。そのまま、いつの間にか諳んじる事ができるようになった宣誓を終え、隣の男性と向かい合う。
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