『禁止薬物の製造、及び販売する組織の情報あり。製造法と計画書を証拠として保全し、組織を制圧、捕縛せよ』
たまたま現場近くにいた夏日熒は、その連絡を受けてのんびりと現場に足を向けた。せっかく任務を終えたところだったのに、続け様に任務が入るなんてついてない。しかも敵に氷の能力者がいるらしく、熒と同じ炎系のグレイスによる合同任務ということだった。誰が来るのかはわからないが、まぁなんとかなるだろう。
そう楽観的に考えていると、集合場所にはすでに三人の人物が集まっていた。
「君で最後かな。今日は私が指揮をするよ。黒暁周琉だ、よろしく」
「はーい」
集まった中で一番年長の周琉が今回のリーダーだ。自信に満ちた表情、靡く白銀の髪。歩き方一つとっても強いことがわかる。
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