剣ムル×黒雲ヒス『敗北した際の決まり事』 耳まで赤らめたヒースクリフは、ひどく悔しそうに舌打ちをした後、帯付近の裾に手を突っ込んだ。
裾の下に隠していた何かを外すかのようにもぞもぞと手を動かしている様子をムルソーは、眉一つ動かさず黙って見つめる。
やや前屈みになっているためか、豊満な胸筋に合わせて大胆にはだけさせた着物の襟元からは刺青に侵食されている谷間どころが、ある尖りまで見えそうだ。
青みのかかった瞳が彼の恥ずかしそうにしている表情から胸に、そして足へと次第に下りていく。裾から覗かせた古傷だらけの太ももは健康的な色気を放っていた。
「んなっ…そんな、ガン見してんじゃねぇよ…」
見られている羞恥に思わず声が上擦る。
いいから従え、と言いたげに顎だけで指示を送られ、ヒースクリフは再び舌打ちする。
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