イサ+ヒス『知らない部屋』 ある日、ヒースクリフが風邪をひいた。
憂鬱大罪から水鉄砲という名の集中攻撃を受けた後で断首魚の討伐に挑んだのが原因になったのか、鏡ダンジョンから帰還した日の夜に熱を出してしまった。
寒気がすげぇくしゃみが止まんねぇと愚痴るくせに、部屋へ戻るのを渋るヒースクリフの元へ「ファウストという天才に風邪をうつした場合、どのように責任をとりますか?」と鋭い一言がとんできたことで、完治するまで部屋に引きこもる宣言をようやく本人から引き出せたのである。
渋々といった足取りで戻る直前、腹が減ったら勝手に食うからと言い残し、彼はドアの向こうへ消えていった。
「ヒースクリフさん、あれから全然出てきませんよね…」
「うむ、夕食も朝食も食べにこなかったな」
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