Recent Search

    masasi9991

    @masasi9991

    妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど
    平和なのと燃えとエロと♡喘ぎとたまにグロとなんかよくわからないもの

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🐟
    POIPOI 366

    masasi9991

    DONE学院時代レオクリ息を止めた

     珍しいものを見た。見なかったことにして場所を変えようと思った頭に反して、足はそっちの方へ向かっていた。
     昼休みの学院は、騒がしい。嫌いじゃないが、今日はそんな気分にならない。喧騒から逃れられる場所を探して彷徨く。校舎裏まで来れば、騒がしさは遠く微かに聞こえるだけになった。
     そこに一つだけ置かれたベンチが、並木の日陰に入っていた。その涼しげな薄暗さがいかにも丁度いい。見つけた、と思った。それと同時に、珍しいものを見た。
     先客だ。せっかく一人になれそうな場所を見つけたのに、そこに先に座ってるやつが居たんじゃしょうがない。それも思いがけないような相手だ。およそこんなところで居眠りしてるような奴だとは知らなかった。いささか驚いて足を止め、見なかったことにして場所を変えようと思った、つもりだったが……気がつくと、足はそっちの方へ向かっていた。
     遠くに聞こえる昼休みの喧騒と、時々吹く風の音、そのくらいのものしかここにはなかった。砂利を踏んで近づく自分の足音さえ場違いに騒がしい気がした。その足音だって、ほんの二、三歩分だってのに。
     風が吹けば並木が揺れて、木漏れ日がそいつの 1698