夢の結末1
朝、一人で起きる。隣ではまだこいつが寝ている。そのはずだ。もういつものことに慣れきって、何も考えずに寝室を出ようとした。まだ目覚めきっていない自分の瞼が重い。ドアノブをひねる直前にあくびが出る。ああ、と何の遠慮もなしに声を出してあくびをした。朝の静けさの中だから、妙に響いた。しまった。そういえば、まだ寝てる奴がベッドの中にいるんだっけ。
あまりにも自然にそのことを受け入れていたから忘れていた。今ので起こしちまったかな、と急に興味が湧いてベッドの方に戻る。なぜか一つしかない寝室と、二つ並べられたベッド……まあ、わざわざ互い違いとかに並べられててもそれはそれで困惑しちまうだろうが、とにかく別にオレたち自身が望んだわけでもなく、神の使いから家を紹介されたときからそう並んでいたベッドの片方をなんの気もなしに覗き込んだ。
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