「なあ、新入り。…お前ってさ、一体どっちなんだ?」
ディンゴのそんな声が、少し離れた場所からふいに響いた。
その瞬間、コリーが思わずそちらを振り返ると、視線の先にはどこか困ったような表情を浮かべているマイラと、ディンゴだ。
悪気は…なさそうだが、けれど、それは問題ではない。
「…どちらに見えますか?」
とマイラは笑顔を作って返した。
質問を質問で返されたのか、ディンゴは怪訝そうに困惑していた。
「ディンゴさん!そういう訊き方はないでしょ?!」
コリーが間髪入れずに割って入り、強い調子で窘める。
それに対しディンゴは曖昧に謝った後、気まずそうにその場を去っていった。
コリーはマイラの方へ振り返り、深く頭を下げた。
「マイラさん、さっきは……すみません。あんなことを言わせてしまって。
979