誰だって君のチョコが欲しい
厨房で忙しなく何かを作っているエンに忍び寄る背の高い影。
「今年もやってんのか?」
「ジャック団長…!えぇ…今年も皆に教えてたら自分が作る分を忘れてて……」
「ふぅん…」
ジャックは天板に置かれた焼きたてのクッキーを見ると、うさぎ型のを一つ手に取って食べた。
「あ…!団長、つまみ食いはやめて下さい。団長の分だけ一つ減らしますよ」
「ケチケチすんなよなー。ま、これで先制攻撃は出来たな」
「?」
「こっちの話だ。じゃ、頑張れよ」
嬉しげに去っていくジャック。それから少ししてセッケが入ってきた。
「エンさん!何か手伝いましょうか?フッハ!」
「じゃあ、ラッピングをお願いしようかな」
「お任せ下さいよ、フッハ!」
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