橙、翠、紫 後編。リビングに持ち込まれたホワイトボードに大きく書かれた『念』の文字。それを囲む様に四隅に、『纏』『練』『絶』『発』と書かれている。
「ここに来て半年…お前らもある程度は成長したからな。次の修行に入る……念の習得だ」
「「「念?」」」
三人揃って首を傾げると、モラウは説明を始めた。
「俺達人間の体には、オーラと呼ばれる生命エネルギーが溢れている。ほとんどの人間はそれを垂れ流しにしたままにしているが、これを自分のものにして操ることが出来るようになる能力のことだ。よくテレビとか本とかで見る仙人や超能力者みたいなもんだと思ってくれていい」
指示棒を手にすると、まずは『纏』を指した。
「さっきオーラは垂れ流しになってるって言ったな。それを肉体に留めるのが纏。逆にこれを絶つ…つまり、消すと『絶』になる。『練』は通常以上のオーラを生み出す。分かるかどうかは別として見てろよ?」
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