もっと甘やかして(の続き)しかし、甘やかすといっても何をすればいいのか。
撫でて、お菓子をあげて……本を読んであげたりだろうか? 一緒に遊んで…は、子供と遊ぶ内容がまるで思いつかない。あとは子守歌で寝かしつける…?
最終的な目的はともかく、意外と行動は平和な内容になるものだナ、と悪のカリスマのはずの男が呟いた。
そもそも、この状態がいつまで続くのか分からない。あまり長期的に考えても無駄になる。だったら、目の前の彼を今、満足させてやるのが一番の得策だと言えそうだった。
「今日のところは疲れているのだし、寝かしつけるくらいしか出来ないネ」
「……ねる、の?」だいぶ嗚咽も収まってきて、幼い中身の彼が単語を拾って涙に濡れた顔を上げた。
「いっしょ? ねるの、いっしょ?」
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