◆ずっと傍にいる◆今日は、土曜日である。
もちろん大学の仕事は休み。高校生も休み。……と、なると、
「おはよう、ジェ……ジェームズ…」
まだ少し私の名前を呼ぶのがぎこちないあの子が起こしにやってきた。
「今朝は飛びつかれなくて助かるヨ……と、おはよう」
「いや、あの…その……」
「今朝はどうも歯切れが悪いネ?」
ここ最近は、この10倍ぐらい朝から喋り倒して場合によってはボディタッチ含め、私をあの手この手で口説き落とそうとしてきていたのに。
「あ……その、もしかして……貴方って、僕に迫られたら……迷惑?」
「え”……っ?! 今頃その疑問が来るかァ??!!」
あれだけ、あれだけ強引に来ておいて今頃それ、恋愛脳でスパークして自分の気持ちしか考えられない状態から少しは醒めたということだろうか。…醒める、ということは私への気持ちも冷めたり…?と、一抹の不安がよぎる。
2256