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    おつかい

    で@Z977

    REHABILIリハビリ用。グスに叱られた日のこと(ただのイチャイチャ)。全体的にふわっとしてる。別におつかいはしてない。
    はじめてのおつかい 初めてグースにハグをされた日を覚えているみたいに、初めてグースに叱られた日のことも覚えている。
     勿論それまでにも何度か注意をされたことはあって――それは例えばフライト中の命令無視からおれの偏食傾向まで程度は様々だったのだけど――冗談めかすこともなく本気で叱られたのはその日が初めてだった。

     叱られているのに抱きしめられていて、それはとても不思議な感覚だった。汗ばんだグースの腕が湿って吸い付いてきて、押し付けられた胸板で思い切り息を吸えばグースの匂いが鼻腔に広がった。そんな時までおれは頭のどこかでグースに抱きしめられている事実にドキドキしてしまって、けれど叱られたのだからグースはおれのことを――他の奴がおれに抱く感情のように――嫌いになったのかもしれないなんて悲喜こもごもだった。だけどやっぱりグースの腕の中はおれに安心を届けるものだから、謝罪の言葉を口にしなければならないということにも思い至った。おれは「ごめんなさい」のタイミングを計っていたけれど、グースの体温がいつもより熱くて、鼓動が早くなっていることに気づいてしまい、いつもと違うグースの様子を観察するみたいにしておとなしく腕の中に収まってみたりした。
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