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    お酒

    seeds_season

    DONEミス晶♂風味SS。うっかりお酒を飲んでしまった賢者のお話。(前編)
    この晶くんは成人してるので! 酒は合法! シャイロックのバーの詳細があまりよく分かっていないのでかなり捏造。
    溺れるもの、浮かぶもの(前編) 晶は酒を飲まない。
     飲めないわけではないが、とにかく弱くてすぐに酔いが回ってしまうから、なるべく飲まないようにしているらしい。
     常日頃からそう公言しているから周囲が無理強いすることはないが、酒場や酒宴の雰囲気自体は好きらしく、魔法舎のバーに顔を出すこともあるし、時には他の魔法使いに連れられてベネットの酒場にやってくることもある。
     そんな時、シャイロックは腕によりをかけて作ったノンアルコールカクテルで賢者をもてなし、周囲の盛り上がりにつられて陽気になっていく彼をそっと見守っているのが常だった。
     魔法舎に臨時出店しているシャイロックのバーは不定期営業だから、常に賑わっているわけではないが、今日は西の魔法使いが勢揃いしており、いつもに増して場が華やかだ。カウンターにもちらほらと客がいて、思い思いの夜を楽しんでいる。晶もその中の一人で、カウンター席の真ん中に陣取って、穏やかな瞳で魔法使い達の会話に耳を傾けていた。
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    TokageIppai

    DONE完成に何ヶ月かけてんのって感じですが前書いたお酒ネタを最後まで書いたやつです 推敲は未来の私がやるでしょう(なのでそのうちしれっと本文とかタイトルとか変えるかも)
    見ように寄っては際どいかもしれない
    おさけはおとなになってから それはいつもと変わらない夜、のはずだった。

    「ふぅ、面白かった……まさか連続パンの実消失事件の犯人が教頭先生で、禁忌の魔法を使って学園を丸ごとパンプディングの森に変えちゃう計画だったなんて」
     両手に持った本から顔を上げ、周りに誰もいないのをいいことに、エステアはひとりごちた。
     彼女が読んでいたのは、王都の子どもたちを中心に大流行している学園小説だった。魔力は低いが天才的な頭脳を持つ主人公が魔法学校に入学し、学園内で起こる難事件を次々に解決していくシリーズで、新刊が出る度に売り切れと重版を繰り返している。
     その人気ぶりは彼女の仲間たちの間でも例外ではなかった。もっとも旅の身では嵩張る本をそう多くは持てないから、新刊が出版されると何人かで共同してお金を出し合い、誰か一人が代表して買ってきて、それを皆で回し読むようにしている。今読んでいる第六巻は数週間前の発売日にイータが張り切って買ってきたもので、やっとエステアの順番が回ってきたのだ。物語自体に惹き込まれるのはもちろんだが、もう読んだ仲間と感想を話し合ったり、あるいはこれから読む誰かの反応を見守ったりするのが楽しみだった。
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